賛成五件、反対五件で中立とは限らない
確証バイアスを避けるため、反対意見も集めることは考えられます。ただし件数をそろえるだけでは、情報の質はそろいません。賛成の記事五本が同じ会社発表の転載なら、元の根拠は一つです。反対の匿名投稿五件も、数字や対象期間が不明なら同じ重さでは扱えません。
記事を数えるより、どの一次資料に基づくか、事実と予想が分けられているかを確認します。自分と反対だから信用することも、別の偏りになり得ます。
悪い結果を全て「一時的」と呼ぶ
仮に「二つの四半期で利益率が回復する」という見通しを持ったとします。実際には回復しなかった後で、「長期投資だから三年待てばよい」と条件を変えると、当初の仮説が外れた事実が見えなくなります。見通しを変えること自体は必要ですが、新しい根拠と、以前の前提が崩れた点を別に記録します。
一回の悪化で必ず売るという意味ではありません。原材料費や開発費などの理由を調べ、どの数字がいつ改善すれば説明に合うかを更新します。目的は保有を正当化し続けることでも、常に否定することでもありません。
売却後も同じ偏りは起こる
売った後に株価が上がると、判断を守るために悪材料だけを探したくなる場合があります。反対に買った後は好材料だけを読みやすくなります。現在持っているかどうかで、同じ発表への評価が変わっていないかを点検します。
買う前の仮説、確認する資料、見直す条件を残し、結果の数字を同じ項目へ入れます。決算資料の抜粋だけでなく、注記や比較期間も読みます。確証バイアスという名前を他人へ付けるより、自分の記録のどこで基準が変わったかを確かめる方が、次の判断に使えます。