小型株効果を比較する

一株が安い会社ほど、小さい会社か

株価が数百円の会社を見ると、数千円の会社より小さく、これから大きく伸びる余地がありそうに感じる場合があります。しかし、一株の価格だけでは企業の市場での規模は分かりません。発行している株数も関わります。

小型株効果は、時価総額などで分類した小型株の企業群と、大型株の企業群との平均収益の違いをめぐる研究上のテーマです。小型株一社を買えば、いつでも大型株を上回るという主張ではありません。

株価と株数を合わせる仮例

独自の例として、A社の株価を300円、発行株数を1億株、B社を5,000円、100万株と置きます。単純に掛けた時価総額は、A社300億円、B社50億円です。B社の方が一株の価格は高くても、この設定では市場での規模は小さくなります。

項目A社B社
株価300円5,000円
発行株数1億株100万株
単純な時価総額300億円50億円
100株の購入額3万円50万円

両社とも100株単位と置き、費用は除いています。実在企業のデータではなく、時価総額の指数向けの調整なども省いた例です。購入に必要な金額と、会社の規模、利益に対する割安さはそれぞれ異なります。

比較する研究の対象を読む

FamaとFrenchの1992年の論文は、米国株のデータで規模や簿価と時価の比率などを分析しています。過去の特定の対象に関する研究で、現在の日本の小型株の成績を保証するものではありません。

分類する市場、境界、期間、配当や売買費用の扱いが変われば、比較する企業群も結果も変わります。小型という言葉だけで、異なる指数や研究を同じ対象として比べることはできません。

小さいことと、成長することは別

規模が小さくても、需要が増えているとは限りません。利益率、競争、顧客への依存、返済負担などを読む必要があります。大型企業でも新しい事業が伸びる場合があり、規模だけで将来の利益を決めることはできません。

また、注文の少ない銘柄では、希望する量を同じ価格で売買しにくい場合があります。時価総額と流動性は関係し得ても同じ数字ではないため、実際の出来高や注文の条件まで分けて読みます。

比較に使えるのは、安い一株を見つけたという印象より、何の規模や収益を比べているかを明確にする視点です。研究上の企業群、個別の事業、自分が買える金額をそろえずに結論へ進まないことが出発点になります。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。