アジア通貨危機と投資心理

成長してきた地域なら、その先も安心できるか

長い間高い成長を続けた地域を見ると、これからの投資も有利だと感じる場合があります。しかし、経済の成長率だけでは、企業の負債や株の買値、為替まで分かりません。良かった過去の印象と、これから負う条件を分ける必要があります。

1997年のアジア通貨危機を扱うFederal Reserve Historyも、危機前の強い成長と、その下で蓄積した金融の弱さを分けて説明しています。当時の成長が、その後の通貨や資金調達の安定を保証したわけではありません。

現地で上がっても、円では減る独自の仮例

架空の外国資産へ現地通貨100を投じ、円への換算率を1現地通貨=4円と置くと、購入額は400円です。現地の資産が10%上がって110となっても、換算率が3.2円へ下がれば円換算額は352円となり、当初から12%の減少です。

実際の株式や通貨の実績ではなく、為替ヘッジをせず、税、費用、配当を除いた独自の設定です。現地の値上がり率と為替の下落率を単純に足すのではなく、110×3.2で同じ円の単位へ換算しています。

これは外国資産が必ず損失になるという意味でもありません。為替が逆に動けば円換算の結果も変わるため、成長の見方とは別に読まなければならない条件です。

高い成長、強い会社、高い投資収益

国全体が成長しても、選んだ会社が同じ速度で利益を増やすとは限りません。利益が増えても、買った時点の価格が将来を大きく見込んでいれば、株主が得る成果は別です。

また、通貨安で輸出に有利な面があっても、外貨借入や輸入の負担が増える会社もあります。一つの国の名前だけで、企業すべてを同じ条件にはできません。

成功例を集める前に、反対の材料も読む

MoneySenseの投資教育は、自分の見方に合う情報を集める偏りや過信を扱っています。期待する地域の良い記事だけでは、資金の引揚げや企業の返済の問題が見えにくくなる場合があります。

心理を振り返ることは、他人と必ず逆へ投資することではありません。現地資産の損益、為替、費用、家計の資金の期限を別々に置くと、何の成長へ期待し、どのリスクまで引き受けるかを具体的に説明できます。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。