まずは二つの結果だけで考える
100万円の投資が1年後に、半分の確率で120万円、残り半分で90万円になる架空の商品を考えます。期待する残高は120万円×0.5+90万円×0.5=105万円。期待収益率は5%です。
同じ期間・通貨で比較する安全性の高い資産の収益率を1%と置くと、期待収益率の差は4ポイントです。これがこの仮定でのリスクプレミアムに当たります。二つの確率は説明のための設定で、株式市場の上昇・下落確率を示していません。費用と税も省いています。
平均105万円でも、105万円になるとは限らない
この商品で実際に起こるのは120万円か90万円のどちらかです。期待値の105万円という結果は、設定した選択肢にはありません。1年後に100万円の支払いがある人なら、期待値が高くても90万円になる場合に対応できないかもしれません。
そのため、「期待リターンが預金より高い」という理由だけで支払予定のお金まで投資すると、期待値と家計の期限が食い違います。生活費や近い将来に必要な資金を先に分け、残った資金で下落を引き受けられるかを考えます。
実際の商品では確率も分からない
現実の株価には二つより多くの結果があり、その確率も既知ではありません。期待収益の数字は推計に依存します。過去平均をそのまま来年の予想とみなすことも、リスクが大きいほど報酬が増えると決めつけることもできません。
商品を選ぶ際は、何のリスクに対する上乗せなのか、推計の根拠は何か、損失時にどれだけ資金が残るかの順に整理すると、数字だけの比較を避けられます。