一つの数字へ都合のよい説明を付けない
銀行の貸出残高が増えたとき、成長投資が増えたと受け止める人も、危険な借金が膨らんだと考える人もいます。どちらも資金の用途や返済能力を調べる前の解釈です。残高の増加自体が、強気・弱気の結論を決めるわけではありません。
仮に新規融資100億円のうち、40億円が既存債務の借り換え、60億円が設備資金なら、100億円すべてを新たな設備投資と読むことはできません。さらに設備資金60億円も、計画どおり使われ、利益を生むかは別に点検します。
機械的な連鎖を前提にしない
融資により預金が生まれる仕組みはありますが、その預金が次にどこへ向かうかは、企業や家計の行動で変わります。受け取った資金で別の借入を返す場合もあり、お金が同じ倍率で増え続けるというモデルだけでは説明できません。
景気、金利、銀行の融資姿勢や規制も関わります。中央銀行の発表から直ちに株式へ資金が入ると考えると、間にある条件と、価格にすでに織り込まれた期待が抜けます。
予想が外れる条件まで書く
銀行株を買う理由なら、どの貸出が増え、どの金利や信用コストを想定するのかを具体化します。事業会社なら、増えた借入の用途と返済に使える現金を追います。「マネーが増えるから」という説明だけより、後で検証できる形になります。
自分の見方に合う月だけを選ばず、同じ期間や対象で数字を比べます。信用創造は金融の仕組みを説明しますが、そこから選んだ銘柄が上がるという結論には、追加の根拠が必要です。