ナンピン地獄から学べること:架空の同じ80万円:現金から一社の株式へ移す、追加前:株式20万円・現金60万円、株式比率25%、現金30万円を追加:株式50万円・現金30万円、比率62.5%、その後の株式20%下落なら、追加後は10万円減、追加なしなら4万円減。総額が同じでも、値動きの負担は変わる、費用等は除き購入単位は簡略化。取得価額・下落確率は未設定

総資産は同じなので、買い増しても負担は同じだと思った

現金を株式へ移しても、その瞬間の総資産はほぼ変わらない場合があります。しかし、その後の値動きに影響される金額は変わります。「ナンピン地獄」は、下落後の追加購入を重ね、損失や資金負担が膨らむ状態を表す俗称です。それ自体が利益を生む手法という意味でのメリットはありません。

教訓として役立つのは、平均取得単価だけでなく、追加後に何へ依存するかを読み直せる点です。

同じ時点の保有額を移す独自例

架空の家計が金融資産80万円を持ち、その内訳を一社の株式20万円、現金60万円とします。その株式を現金から30万円買い増すと、株式50万円、現金30万円です。価格は移す間に変わらず、費用や税、配当、他の資金移動もない設定です。

総額は80万円のままですが、その一社の株式比率は25%から62.5%へ上がります。その後、株式がさらに20%下がった場合、買い増し後は10万円減ります。買い増さない場合は4万円の減少です。

同じ次の下落を、一つの家計の追加の有無で比べた模型です。購入の単位は簡略化し、下落前の取得価額は置いていません。このため、ここで全保有期間の損益や平均取得単価を求めているわけではありません。

平均単価だけでは見えない問いがある

平均取得単価は下がっても、同じ企業の悪材料を受ける保有量は増えます。業績の悪化や資金調達の難しさが続くなら、その影響を多く負う可能性があります。追加後の円の金額を読むと、口座の単価表示だけでは捉えられない負担を考えられます。

一社への上限を設ける場合も、その上限が取得代金なのか時価なのか、金融資産全体に対する比率なのかを分ける必要があります。異なる時点や分母の数字を混ぜると、上限の内側かどうかも分からなくなります。

教訓を知っても、追加の正解は決まらない

価格が下がった理由や今の事業の見通し、必要資金が違えば、追加の判断も変わります。過去の損失だけで追加を正当化することも、ナンピンという名前だけですべて否定することも、今の価格の評価を省いています。

金融庁の資産形成の説明は、家計と資産の組合せを考える材料です。例に置いた比率を推奨したり、一定以下なら安全と定めたりするものではありません。

役立つのは、総額、集中度、下落で負う金額を同じ時点で読み分けることです。追加しない案を残すと、平均単価を変えるために必要資金まで使おうとしていないかも検討できます。

出典

出典確認日:2026年10月23日。