「後で上がった」と「判断が早かった」は別
少し含み益が出たら、消えてしまう前に売ってしまいたくなる。利益確定は、値上がりした資産を売って利益を実現することです。問題は、企業や資金計画を見ず、その怖さだけで当初の売却条件を変える場面にあります。将来の高値は注文時には分からないため、売った後に上がっただけで失敗とは言えません。
関連する概念にディスポジション効果があります。利益のある投資を売りやすく、損失のある投資を残しやすい行動傾向です。Odeanの研究は米国の証券口座を分析したもので、日本のすべての個人や銘柄に同じ結果を保証するものではありません。
同じ売値でも理由を比べる仮例
1,000円で100株買い、1,100円で売れば、費用を除く利益は1万円です。Aさんは来月必要な学費のため、Bさんは「利益が見えるうちに勝ちにしたい」ため売ったとします。その後1,400円になっても、Aさんの資金確保は計画に沿っていた場合があります。
Bさんも売却が誤りと決まるわけではありません。ただし、購入時には事業成長を確認しながら数年持つ予定だったのに、事業を見ず価格だけで手放したなら、計画を変えた理由を調べる余地があります。
いくら持つかを現在の資産から決める
一部売却も選択肢ですが、どの場面でも万能ではありません。残りを持つ理由がなければ、半分だけ残しても点検は終わりません。売却費用や税、売却後の配分も比較します。
保有を続ける場合も、価格が下がったり事業が悪化したりする可能性を確認します。「早売りを避ける」という目標だけで無条件に保有を延ばさないようにします。
注文前に、売る理由、保有量、必要な時期、見直し条件を記します。後のチャートで天井を探すより、その時点の情報で目的に合う判断を説明できるかを振り返ります。