確証バイアスを知るメリット:仮例:店舗数20%増、売上14%増、一店当たりの倍率1.14÷1.20=0.95、総額と内訳で仮説が変わるか確認

調べる問いを具体的にできる

成長すると思って買った会社の決算を読み、良かった数字だけを集めたくなる。確証バイアスは、自分の見立てを支持する情報を優先し、反対材料を軽く見やすい傾向です。知る利点は、単に慎重になることではなく、どの情報があれば仮説を見直すかを先に決められる点です。「この会社は成長する」だけでは、何を読んでも結論を支えられてしまいます。

例えば「既存の顧客にもよく売れているから成長している」と考えたなら、売上総額だけでなく、既存店や既存顧客に関する数字を探します。会社が開示していない場合は、その部分を未確認と書き、都合のよい前提で埋めません。

店舗数と売上を分ける仮想例

店舗数が100店から120店、年間売上が100億円から114億円になった小売会社を考えます。全店舗が同じ期間稼働したと単純化すれば、一店当たりの売上の倍率は1.14÷1.20=0.95で、平均は5%低下しています。総売上の14%増だけでは、一店ごとの販売が強くなったとは言えません。

実際には新店の開店時期や規模が異なるため、会社が示す既存店売上などを確認します。新店効果と既存店の改善は違うという問いを作るのが、この計算の役割です。特定企業の業績を示す値ではありません。

反対材料を比較できる形で残す

投資理由、支持する事実、崩れる条件、未確認事項を一つの表に分けます。利益や客数が想定どおりでなかった場合、結果を記入した後に当初の理由を書き換えず、新しい見通しとして更新します。

悲観的な意見を増やせば必ず正しくなるわけではありません。出どころが不明な反対論より、会社の一次資料の具体的な数字を重く見ることもあります。気分や賛否の件数より、証拠の定義と強さをそろえる手順が、心理の偏りを調査の中で点検する助けになります。

出典