モメンタム効果を長期投資に生かす視点:同じ期初資産を基準にした仮例、費用前の収益率8%、売買等の費用1.4%、費用後の単純計算、8% − 1.4% = 6.6%(税などは省略)、長期間続けるために読む、入替え条件、途中損失、使用資金の期限

戦略を続ける期間と一銘柄の保有期間

過去に強かった銘柄を買っても、その後ずっと同じ企業が上位に残るとは限りません。研究で用いるモメンタム戦略には、所定の期間で順位や保有先を更新する方法があります。戦略を長年続けることと、一銘柄を何十年も持つことを混同すると、別の運用になります。

モメンタム効果は、過去の相対的な強さとその後の一定期間の収益の関係です。長く持てば強さが永久に続く、という意味ではありません。JegadeeshとTitmanの1993年論文の要旨も、組成後の初年に生じた超過収益の一部が、その後の期間に失われる点を示しています。

費用を含む継続条件の仮例

ある年の運用が費用前で8%だった一方、期初資産に対する同じ基準で売買等の費用が1.4%かかったと単純化すると、費用後は6.6%です。この差を省いた研究や商品比較は、実際の手取りとはずれます。税、費用を支払う時期の違い、途中入出金は省いた一期間の仮例で、将来利回りではありません。

手数料が低くても、頻繁な入替えでは売買の価格差などが積み重なります。課税口座で売却する場合の税も個人の条件で異なり、研究用の収益差をそのまま家計の目標収益へ置くことはできません。

反転を待てる資金か

市場の下落後に、それまで弱かった銘柄が強く戻る場面では、モメンタム戦略が大きく損なわれることがあります。長期の平均がよく見えても、途中の損失や不調がどれほど続いたかは別の情報です。DanielとMoskowitzの研究も、平均値だけでは見えない反転時の負担を扱っています。

家計の支払日は戦略の回復を待ちません。使用時期が近づく資金と当面使わない資金を分け、他の保有資産との偏りも調べます。戦略のルールを理解して続ける判断と、損失を見たくなくて見直しを止める行動を区別することが、長期で考える時にも必要です。

出典

出典確認日:2026年10月23日。