買わなかった利益を、確定損失にしない
ある株を1,000円のときに検討し、業績が分からないため見送ったとします。その後1,500円になれば、100株で5万円の利益を逃したように感じます。しかし購入していれば上昇だけを受け取れた、と後から決めることはできません。検討時点では値下がりや、途中で不安になって売る可能性もありました。
当時本当に買う候補だったのか、100株を買える資金があったのか、必要な支出を妨げなかったかも関わります。結果が分かった後で選び直した最良の銘柄は、事前の判断に使う次善案と同じではありません。
一つの成功談から次の注文へ飛ばない
逃した5万円を取り返そうとして、別の急騰株へ30万円を投じると、過去の後悔が今の投資額を決めてしまいます。その株が20%下がれば損失は6万円です。前の株の5万円は実際に失った資金ではないのに、新たな6万円の損失は口座に生じます。
この計算は値下がりの一例で、30万円の投資を一律に禁じるものではありません。金額を決める理由が、商品の見通しや家計ではなく、前回への悔しさになっていないかを点検するための例です。
決定前の記録を基準に振り返る
候補、選ばなかった理由、残す現金の用途を短く残します。後で読むと、見通しが外れた部分と、判断時点で不足していた調査を区別できます。「あの銘柄が一番上がった」という感想だけより、次の選択へつながります。
見送りの間に確保できた生活費や時間にも価値があります。機会費用は後悔をゼロにする言葉ではありませんが、当時選べた代替案へ比較を戻すきっかけになります。