利益の大部分を一社が生んだと聞いた
運用の振り返りで、一社がほとんどの利益を生んだと言われても、何を分母にした割合かで意味が変わります。パレートの法則は、結果の多くが比較的少数の要因へ偏ることがある、という考え方です。80対20の法則とも呼ばれますが、全期間で同じ数字になる決まりではありません。
投資の損益ではマイナスの寄与もあるため、すべてがプラスの件数や売上を並べる場合と、割合の読み方が違います。
同じ五銘柄の利益と損失を並べる仮例
架空の五銘柄の同じ期間の損益を、Aプラス30万円、Bプラス10万円、Cマイナス15万円、Dマイナス5万円、Eゼロとします。費用、税、配当、資金移動を除いた独自例です。
プラスの合計40万円だけに対するAの比率は75%です。損失20万円を引いた全体の純損益は20万円なので、純損益に対するAの寄与は150%になります。他のマイナスを相殺しているため、100%を超えても、この計算自体は矛盾しません。
五社のうちA一社は社数の20%ですが、成果を何と呼ぶかで割合が違います。75%と150%を別々の成果として無条件に比べたり、純損益に対する比率を普通の円グラフの内訳にしたりすると、マイナスの部分を見失います。
比率の前に、損益の金額も残す
純損益が小さいほど、個別の寄与率は大きくなり得ます。純損益ゼロなら、その値を分母に割合は計算できません。金額、プラスの合計、マイナスの合計を分けて残すと、比率だけが目立つ説明を点検できます。
元の保有額が違えば、大きな利益の理由が値上がり率なのか投資額なのかも変わります。今回の数字から、Aの収益率や投資効率が最も高かったとは判断できません。購入額を置いていないためです。
後から選んだ勝ち銘柄を、未来へ延ばさない
Aの利益が大きかったという結果は、購入時にAを特定できた証拠ではありません。次も同じ会社が勝つ、利益の少ない会社は不要という結論にもなりません。集中を高めれば、一社の悪化が全体へ強く作用する可能性があります。
Juran Instituteが説明する分析は、共通の結果に関わる項目を測り、大きな部分を調べるものです。結果を測る前から、少数だけへ絞る結論を保証する説明ではありません。
投資の例では、何の成果を分母にし、損失と費用をどう扱ったかをそろえることが先です。偏りが見つかった後に、その理由と現在の保有額を調べる段階が残ります。
出典
出典確認日:2026年10月23日。