昼にへこむのは、何を表す線か
日中に太陽光発電が増えると、その時間の需要の一部を太陽光で賄えます。そこで、需要全体から太陽光や風力の発電分を引き、残りをほかの供給などでどう埋めるかを見ることがあります。この残りが残余需要、英語ではネットロードです。
昼の残余需要が低くなり、日没に向けて増える形がアヒルに似ていることから、ダックカーブと呼ばれます。電力システムの時間帯の問題を表す用語であり、株価の上昇パターンや、動物の行動に基づく投資法ではありません。
三つの時刻を置いた独自の仮例
架空の地域で、ある一日の8時、13時、18時だけを取り出します。数字は各時点の電力で、単位はMWです。風力はゼロとし、蓄電池や地域間の電力融通なども含めず、太陽光以外で埋める量を単純化して考えます。実際の地域の観測値ではありません。
| 時刻 | 需要全体 | 太陽光発電 | 残余需要 |
|---|---|---|---|
| 8時 | 80MW | 5MW | 75MW |
| 13時 | 100MW | 70MW | 30MW |
| 18時 | 110MW | 0MW | 110MW |
昼の需要は朝より大きいのに、残余需要は小さくなっています。一方、夕方には太陽光がなくなり、残余需要が増えます。図の線は三時点を結んだ説明用で、その間を一定の速さで変化したと示すものではありません。
夕方に必要なのは、量だけでなく動ける速さ
例では、昼に抑えていた供給を、夕方には増やす必要があります。発電設備に十分な容量があっても、必要な時間に立ち上げられるか、出力を変えられるかは別の条件です。また、昼の発電が使える量を超える場合には、出力を抑える調整が問題になります。
対応には、蓄電池で使用時刻をずらすこと、需要側が使用時間を変えること、地域間で融通することなどが考えられます。ただし、天候、季節、地域の需要、送電の制約で条件は変わります。どの日、どの地域にも同じ形が現れるという意味ではありません。
投資先を見るなら、調整する仕事の中身へ進む
電力の課題があることは、関連するどの企業も利益を増やすという証拠にはなりません。設備を作る会社、所有して運用する会社、電力を売買する会社では、受け取る売上と負担する費用が違います。需要の拡大と競争による価格低下が同時に起きる場合もあります。
調べる対象は、その会社が何を供給し、契約がいつ収益になるか、設備投資や保守の費用を誰が負担するかです。曲線を知った段階から、受注、稼働、代金の受取りへ順にたどれば、電力の必要性と株主が得られる成果を混ぜずに読めます。