トレンドラインと投資心理|焦りや思い込みに流されない考え方

線を引く二点と、その後の確認点を分ける

上昇トレンドを調べるときは、押し目の安値を結ぶ右上がりの線を使います。下落トレンドなら戻りの高値を結ぶ右下がりの線が基本です。同じ価格を横へ延ばす水平線と異なり、時間が進むと線が示す価格も変わります。線は将来の注文を拘束する壁ではありません。

二つの点を選べば直線は引けますが、それだけで後の値動きにも通用するとはいえません。最初の二点で仮の線を引き、後から現れた安値がその近くで止まるかを観察します。引くときに使った点と、検証に使った点を区別すると、後知恵で整えた図を売買の予測力と取り違えにくくなります。

900円、950円、1,000円の安値をどう読むか

図は実在銘柄ではなく、観測順に980、900、1,040、950、1,090、1,000、1,100、980円となる仮想価格です。2番目と4番目の安値を結ぶと、同じ間隔の6番目では1,000円、8番目では1,050円が線上の目安になります。6番目までは安値の切上げが続き、最後の980円は線上の目安を70円下回ります。

最後の価格は最初の安値900円より高いものの、直近の安値1,000円より低くなっています。「まだ買値より高い」という損益の話と、安値の切上げが崩れたという形の話を混ぜないことです。なお、図の各点は同じ長さの観測間隔という仮定です。

保有を正当化する引き直しを防ぐ

保有中は、線を下回るたびに都合のよい別の安値へ結び直したくなります。新しい情報に合わせた修正自体は必要でも、元の線と変更理由を残さなければ、どの場面でも「支持されている」と説明できてしまいます。事前の図を保存し、安値を使うのか終値を使うのか、割込みを終値で確かめるのかも記録します。

日足と週足では選ばれる転換点が違います。画面の縦横比を変えれば見た目の角度も変わるため、「傾きが急だから勢いが強い」と画像だけで比較しません。株式分割などの価格調整の有無も揃えてから、以前の図と見比べます。

線を割った後に決められること

割込みは、上昇の進み方が変わった可能性を検討する材料です。そのまま下落が続く場合も、横ばいになる場合も、すぐ線上へ戻る場合もあります。この形だけから勝率や下値目標を確定させることはできません。

売却を考えるなら、チャートの条件に加え、保有理由にしていた業績や資金を使う時期が変わっていないかを見ます。線を1円割れば全て売る方法と、終値や数日の推移を待つ方法では、判断の速さと戻りを見逃す可能性が異なります。どれが常に有利という答えを置かず、自分が実際に追える観測条件と損失の許容額へ結び付けます。

出典