リーマンショックとは?投資心理との関係でわかる投資判断の使い方

歴史を知った後なら、結末が見えてしまう

2008年9月15日にリーマン・ブラザーズが破産手続を申請し、その後に市場の混乱が深まったことは、今は歴史として読めます。しかし、当時の参加者が、その後の政策や回復まで同じように知っていたわけではありません。

過去のチャートを見て簡単に避けられたと感じる時は、事後に分かった情報を、当時も確実だった情報へ戻していないかを考えます。逆に、今の悪いニュースが似ているから、同じ規模の危機になると決めることもできません。

資産の名前より、家計で重なる影響を調べる

独自の仮想家計で、金融業の会社に勤め、その自社株と、金融株を中心に組み入れる投資信託を保有しているとします。商品名や銘柄が違っていても、業界の環境が悪化した時に、資産と勤務先の収益へ共通の影響が出る可能性があります。

この場面では、投資の値下がりだけでなく、賞与や給与への影響、予定していた支払いに使える現金を一緒に並べます。投資信託だから他の資産と必ず違う動きをする、と名前だけで判断すると、家計全体の重なりを見逃します。

実在の家計や2008年の具体的な損失を再現したものではありません。すべての金融株や勤務先が同時に同じ割合で悪化するという統計でもなく、どの条件へ依存しているかを調べる手順です。

強い印象を、新しい根拠の数に置き換えない

大きな破綻の記憶があると、危機を連想する見出しが目に付きやすくなります。MoneySenseは、印象に残る情報を重く見る偏りや、自分の考えを支持する情報を集める確証バイアスを説明しています。

今の判断では、確かに起きた出来事、その情報が直接影響する投資先、まだ起きていない想定を分けます。同じ不安を語る記事を何本読んでも、同じ発表を引用しているだけなら、独立した事実が増えたわけではありません。

不安があること自体を判断の誤りと決める必要もありません。生活に必要な現金が不足しているなら、相場の見通しとは別に対応する課題です。

当時の救済も、将来の対応の約束ではない

米連邦準備制度の歴史資料では、リーマンは破綻した一方、別の金融機関には支援が行われた経緯を読めます。同じ危機の中でも扱いは一様ではなく、次も必ず救われる、またはすべて破綻するという二択にはできません。

過去を学んだ上で、現在の財務、取引先、借入期限、自分の資金の使い道へ戻ります。恐怖を感じなくなることを目標にするより、どの情報で見立てを変えるかを先に言葉にすると、記憶だけで売買を急ぐ場面を減らしやすくなります。

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