雪だるま効果を投資判断でどう見るか

残高が増えたのは、利益か追加したお金か

積立の口座残高が大きくなると、「雪だるまのように増えた」と感じることがあります。その中には、運用で得た利益だけでなく、自分が追加したお金も含まれます。両者を混ぜると、運用がどれほど貢献したか分かりません。

雪だるま効果は金融商品の正式な利率の名称ではなく、増加する様子を表す比喩です。複利、積立、再投資は一緒に使えるものの、同じ仕組みではありません。毎年必ず増える、あるいは投資開始直後から大きく増えるという約束でもありません。

同じ三年間で、三つの方法を比較する

最初に10万円を用意し、年5%の収益が毎年ちょうど得られるという独自の仮定で比較します。三年間、費用と税金、途中の値動きは除きます。この5%は実際の商品利率や将来予測ではありません。

方法三年後の金額自分が出した元本
元本10万円を維持し、毎年の利益を現金で保管合計11万5,000円10万円
利益も全額運用に残す約11万5,763円10万円
利益を残し、各年末に1万円ずつ追加約14万7,288円13万円

第一の方法では、利益を保管した現金に利息が付かないとします。第二は10万円×1.05の3乗。第三は、一年目の運用後に追加して11万5,000円、二年目の運用と追加で13万750円、三年目で14万7,287.5円です。表では円単位に四捨五入しています。

複利、積立、再投資を読み分ける

複利は、元本だけでなく、それまでの利益も次の運用の土台になる計算です。積立は新しい資金を繰り返し出す行動であり、表の第三の残高には、後から出した3万円も含まれます。第三の残高全体を、最初の10万円に対する運用益と数えることはできません。

再投資は、受け取った配当や分配金などを使わず、再び投資へ回す行動です。分配を出さず資産内に収益を残す投資信託もあります。その内部で残った収益と、外で受け取った分配金を再投資した分を、同じ利益として二重に足さない読み方が要ります。

増える土台には、損失も積み重なる

仮例は収益率が固定なので滑らかに増えますが、株式や投資信託の収益は毎年一定ではありません。利益を残して投資額が大きくなれば、その後の値下がりを受ける金額も大きくなります。積立によって購入時期を分けても、元本割れはなくなりません。

比べる際は、最初の金額、追加する時期と金額、利益を受け取るか残すか、費用や税金をそろえます。残高の大きさだけを見て「複利が強く働いた」と決めず、入金した元本と運用損益を別々に追うと、家計が続けられる積立額も考えやすくなります。

出典