複利の魔法を投資判断でどう見るか

何%かを見る前に、何に利息が付くかをそろえる

同じ年利が並んでいても、単利、1年複利、半年複利では、利息を計算する土台が異なります。比較する時は、利率と期間だけでなく、いつ利息を元本へ組み入れるかを合わせる必要があります。

単利は当初の元本だけに利息を付ける方式です。複利は、それまでの利息も元本へ加え、その後の利息を計算する方式です。プラスの同じ利率が続くなら、元本へ戻した利息にも利息が付くため、結果に差が生まれます。

ただし、株式や投資信託の収益率が一定になるという意味ではありません。表示された年利が名目の年率か、複利の結果まで含む実効年率かによっても比較が変わります。

同じ表示年利を、三つの方式で比べる例

独自の仮例として、20万円を表示年利4%で5年間運用し、税金、費用、追加の入金、引出しはないとします。実際の預金や投資商品の条件ではありません。利率は全期間一定と仮定します。

単利なら、20万円×(1+0.04×5)で24万円です。1年ごとに利息を元本へ戻すなら、20万円×1.04の5乗で約24万3,331円です。半年複利は表示年利を二分し、半年ごとに2%を10回組み入れる設定で、20万円×1.02の10乗、約24万3,799円です。途中では丸めず、最後に円単位へ四捨五入しています。

半年複利と1年複利の差は、同じ表示年利でも、先に加えた利息が次の計算へ入るために生まれます。この条件では差があるという計算で、半年ごとに利息を受け取る商品なら必ず自動で再投資される、と言っているわけではありません。

受取り型と再投資型でも、比較する資産をそろえる

利息を受け取って別の口座へ置いた場合は、元の商品だけでなく、その現金も含めて比べます。元の商品残高が小さいから、ただちに受取り型の総資産がその分だけ少ないというわけではありません。現金を使ったのか、別の運用をしたのかでも変わります。

課税される利息なら再投資へ回せる額は税引後です。実際には付利単位や端数処理、最低残高なども関わります。税前の理論値と、実際の手取り額を混ぜると、方式以外の差まで複利の効果に見えてしまいます。

途中で資金が必要なら、満期や中途解約の条件も比較対象です。少し多く増える方式だけを選んで、必要な時に取り出せない条件を見落とすと、家計の予定に合わなくなります。

計算方式の有利さと、商品を選ぶ判断は別にある

投資商品の比較では、値動き、元本の保証の有無、発行体や投資先、費用を先にそろえます。利率の高い仮定を置けば将来額は大きくなりますが、その率を達成できる裏付けが増えるわけではありません。

複利の比較は、同じ条件で運用した時の計算の違いを読む道具です。元本に何を戻し、どの期間で何回運用する設定かを説明できれば、数字の大きさだけで商品を選ぶ誤解を減らせます。

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