複利の魔法とは?意味と投資での見方

増えた利息も、次の計算の土台に入る

口座残高が増えていても、自分が入金した分と運用で増えた分を混ぜると、複利がどこで働いたか分からなくなります。まず、元本は運用の出発点になるお金、利息や収益はその運用で得た部分、と分けて考えます。

複利は、得た利息や収益を元本へ加え、その後の利息や収益の土台にする仕組みです。最初のお金だけに毎回利息を付ける単利と違い、前に増えた部分にも次の利息が付きます。

「複利の魔法」という呼び名は、その増え方を強調する比喩です。放置すれば必ず増える特別な仕組みや、元本割れをなくす保証があるわけではありません。誰かの名言を知ることより、計算の前提を確かめる方が実用的です。

三年間の残高を、同じ条件で追う例

独自の仮例として、30万円を年3%で運用し、1年ごとに利息を全額元本へ加えるとします。税金、費用、途中の引出し、追加の入金はなく、年3%はずっと変わらない設定です。実際の金融商品の金利ではありません。

1年目の利息は30万円×0.03=9,000円で、残高は30万9,000円。2年目はその残高へ3%を掛けるため、利息は9,270円、残高は31万8,270円になります。3年目の残高は31万8,270円×1.03=32万7,818.1円です。実際の端数処理を省いた理論値で示しています。

2年目の利息が少し多いのは、新たに入金したためではなく、前年の利息を残していたためです。単利なら毎年の利息を計算する土台は最初の30万円のままで、この違いが複利の基本です。

投資信託では、同じ率の利息が付くわけではない

株式や投資信託は、預金のように契約した率の利息が毎年付く商品とは異なります。投資先の値動きや配当、費用によって損益が変わります。仮例の滑らかな増加を、実際の価格の進み方だと考えないことです。

投資で複利を考える時は、得た収益を引き出さず運用に残す条件に注目します。分配金を再投資する場合も、その後の運用が損失なら再投資した部分も減ります。再投資が利益そのものを生むと約束するわけではありません。

また、毎月の積立は自分のお金を追加する行動です。積立と複利を同時に利用することはできますが、残高の増加がすべて複利による利益になったとは数えません。

最初に確かめるのは、率と期間とお金の用途

試算を見る時は、何%で何年運用し、利益をいつ元本へ戻すか、税や費用を含むかを読みます。高い利回りを入力すれば大きな将来額になりますが、その数字を得られる可能性は別に検討する必要があります。

生活で使う時期が近いお金まで投じると、運用を続ける前提が崩れる場合があります。余裕資金と必要資金を分けて、無理のない期間で考えることが、複利を単なる期待の言葉にしないための準備になります。

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