確証バイアスと投資心理|焦りや思い込みに流されない考え方

以前の強気発言が、読む資料を狭めるとき

知人に勧めたりSNSで強気の意見を書いたりすると、会社の見通しを変えることが自分の失敗を認める行為のように感じられる場合があります。その結果、良い開示はすぐ共有し、悪い開示は「一時的」と読む理由を探しやすくなります。実際に一時的かどうかは、気持ちではなく期間や数字で確かめます。

確証バイアスは、自分の考えに合う情報を重く扱い、反対の証拠を軽く扱う傾向です。情報をたくさん集めても、集め方が偏れば判断は改善しません。

受注の増加と利益への貢献を分ける

例えば、新製品の売上が増えた一方で返品と在庫も増えたなら、売れたという説明だけで終えません。売上が利益へ残るか、代金を回収できるかという別の問いがあります。自分が以前何と発言したかをいったん脇へ置き、現在未保有だったとしても同じ価格と数量を選べるかを考えます。

会社の発表を読んだ直後に賛成意見だけを検索すると、同じ発表を言い換えた文章が何本も見つかることがあります。記事の数を独立した根拠の数として数えず、どの元資料とどの前提を使っているかをたどります。

賛成と反対を一件ずつ読めば十分なのか

見方の違う文章を同数集めても、それだけで偏りが消えるわけではありません。一方が最新の会社資料を使い、もう一方が古い数字を使っていれば、単純な多数決や中間の結論にはできません。数字の期間、連結か単体か、実績か予想かをそろえて比べます。

調査メモには「事実」「その事実からの自分の推測」「まだ分からない点」を分けます。受注が増えたのは事実でも、利益が増えるという部分には原価や費用の前提が入ります。分からない部分を好きな結論で埋めず、次にどの資料で確認するかを決めれば、不安や面目を保有判断と切り離しやすくなります。

見方を変えることを失敗の隠蔽にしない

自分の過去の発言と保有条件は別に保存します。誤りがあったなら、その部分を訂正する作業と、残る保有数量を決める作業を分けます。訂正したから即座に全て売る、面目を守るために買い増す、といった取引へ直結させる必要はありません。

調査の区切りには、まだ不足している資料と次に確認できる時期を書きます。分からないと認めることは、悪い結果を予測したことにも、良い結果を否定したことにもなりません。現在の情報で引き受けられる価格変動と保有量を考え、他人にどう見られるかを注文の条件へ混ぜないようにします。

出典