通貨の歴史とは?メリットでわかる投資判断の使い方

同じ円でも、支える仕組みは変わってきた

昔のお金も今のお金も、同じように物を買う道具に見えます。しかし、誰が発行し、何と交換でき、どの範囲で通用したかは、時代によって異なります。通貨の歴史を学ぶ利点は、この違いを分けて読めることです。

日本では1871年の新貨条例で円という単位が導入され、最初の日本銀行券が発行されたのは1885年です。円という計算の単位ができたことと、現在につながる中央銀行券が登場したことは、別の出来事になります。

金と交換できる約束と、紙に書かれた額面は違う

貨幣博物館の解説では、1897年の貨幣法で金本位制が確立し、日本銀行券は金貨へ交換できる仕組みになりました。こうした交換を兌換と呼びます。金属のお金と紙のお金が、単に順番に置き換わったという話ではありません。

日本は1931年に金貨への兌換を停止し、1942年の日本銀行法によって今日につながる管理通貨制へ移りました。現在の銀行券を、額面に応じた金貨を受け取る引換券と同じように扱うことはできません。

歴史を読む時は、制度が定めた交換の条件と、実際の流通や物価を区別します。どの時代でも同じ金属が価値を保証した、あるいは紙になれば何の条件もなく価値を失う、と一つの物語へまとめると、制度の違いを落とします。

額面が変わらなくても、買える量は変わる仮例

独自の仮例で、品質と内容が同じ品の一組が1,000円なら、1万円で10組買えます。その価格が1,250円になると、同じ1万円で買えるのは8組です。預金の利息や追加の収入はない条件です。

価格の上昇率は25%ですが、買える量は10組から8組へ20%減っています。値上がり率をそのまま逆向きに読んで、購買力が25%減ったとする計算ではありません。また、一つの品の仮例であって、家計全体の物価指数や過去の実際のインフレ率を示したものでもありません。

口座に表示される名目金額と、生活で必要な物を買える量を分けると、資産形成の目標を金額だけで固定してよいかを考えやすくなります。

歴史の知識を、今の商品を読む問いへ変える

現在の商品では、何の通貨で金額が決まり、どの主体が支払いを約束し、途中で換金できるかを資料で読みます。株式、債券、預金は同じ通貨で表示されていても、権利や支払いの条件が違います。

通貨制度の歴史を知っても、次の円高・円安や、特定の投資先の上昇時期までは分かりません。使い道は将来の値動きを断定することより、過去の条件を現在へ移していないかを確かめ、額面・信用・購買力という異なる問いを持てることにあります。

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