利益が出た時ほど、市場全体の動きを一緒に見る
買った株が次々と上がると、選び方がうまくなったと感じることがあります。ただ、株式市場全体が上向いていれば、個別の判断とは別に、その追い風で利益が出ている部分があるかもしれません。
ブル、強気相場は、株価が上がり、市場の心理が楽観的な局面を表す言葉です。米国SECの用語説明は、広い市場指数が少なくとも2か月の間に20%以上上がるという一般的な目安も示します。これは将来の上昇を保証したり、全銘柄が同じ方向へ動くと決めたりする基準ではありません。
自分の利益と、比較対象の上昇を並べる仮例
独自の仮例で、期間初に100万円だった運用が、期間末には112万円になったとします。途中に追加投資や引出しがなければ、収益率は12%です。同じ期間に比較対象の架空の株価指数が100から120へ上がったなら、こちらの上昇率は20%です。
通貨と期間をそろえ、どちらも価格の変化だけを比べ、費用、税金、配当等は除いています。実際の商品の運用成績や指数を示したものではありません。
自分の運用に利益があっても、この数字だけでは市場全体より有利な選択だったとは言えません。一方、組入れやリスクが違えば、単純な差だけで判断力が低いと証明されるわけでもありません。相場の追い風と、自分が取った条件を分けて読む例です。
成功の理由を、自分に都合よく変えていないか
MoneySenseは、上昇相場の利益を自分の技量へ結び付け、悪い結果は運が悪かったと考える偏りを、過信の説明に挙げています。利益が出たという結果と、投資前に置いた理由が正しかったかは、別に点検する問いです。
購入時に考えた業績や価格の条件が実際に変わったのか、単に市場の評価が全体に上がったのかを資料で比べます。好調だった数回だけを残し、うまくいかなかった保有を除けば、自分の成績の見え方も偏ります。
周囲の利益を見て資金を急いで増やす時も、その人の期間、保有量、損失の経験まで同じ条件とは限りません。
強気の気分と、生活で必要な資金を分ける
値上がりした含み益は、売却するまで金額が確定していません。その残高を当てにして新しい支払いを増やしたり、借入を使って保有を広げたりすると、価格が反対へ動いた時に対応が難しくなる場合があります。
いま使ってよい現金、保有先の偏り、事業への見立てを変える条件を、相場の雰囲気とは別に残します。強気相場と呼ばれていても、必要な資金の時期や、自分が負える損失まで変わるわけではありません。