金利サイクルの実例|相場でどう見ればいいか

政策金利と、商品に使う金利を区別する

中央銀行は金融政策で金利の誘導などを行いますが、企業の借入金利、長期国債利回り、預金金利が全て同じ割合・同時に変わるわけではありません。期間や信用条件、将来の政策への期待も関係します。金利サイクルを例へ使う際には、どの金利を変えた計算かを最初に決めます。

以下は実際の政策決定や相場を再現したものではなく、他の条件を固定して影響を分ける仮想例です。現実の利益や価格を予想する際は、需要、為替、信用リスクなど、同時に変わる条件も加えて考えます。

一年後に102万円を受け取る債券の例

一年後に元本と利息の合計102万円を受け取り、それ以外の収入がない債券を仮定します。必要な利回りが年2%なら現在価格は102万円÷1.02=100万円です。年4%を求めるなら102万円÷1.04で約98.08万円になります。支払いが確実で、税・費用を除く単純化した計算です。

将来の受取額が同じなら、新しく求められる利回りが高くなると、その利回りに合う購入価格は低くなります。ただし、実際の債券は利払いの回数、満期、信用、通貨で違います。市場で途中売却する価格と、満期まで保有した場合の受取条件を分けて確認します。

銀行の利息収支は、預金側も同時に見る

貸出5,000万円の金利が年1%から2%へ上がる一方、預金4,000万円の金利が年0.1%から0.8%へ上がる仮想例を考えます。残高を一年間固定すると、貸出利息は50万円から100万円、預金への支払いは4万円から32万円です。単純な差額は46万円から68万円となり、増加は22万円です。

貸出利息の増加50万円を、そのまま利益増加と考えないことが分かります。この差額には人件費、貸倒れ、保有債券の評価、他の収益を含めていません。銀行株を評価するなら、実際の預金・貸出の構成と会社の説明を調べます。

成長株の評価も、将来利益と併せて見る

一年後の105万円を年5%で割り引けば100万円、年10%なら約95.45万円です。割引率だけを上げる計算では現在価値は下がります。しかし株式では将来利益も同時に増減するため、この率をそのまま株価の予測へ使うことはできません。

利下げが行われても、背景に需要の大幅な悪化があれば、割引率の低下と利益予想の低下が同時に起こり得ます。発表前に期待されていた内容との違いも確認します。金利の方向、収益へ伝わる契約、企業の見通しを別々に並べることが、具体例を実際の調査へ使う入口です。

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