シーソーの法則とは?メリットでわかる投資判断の使い方

輸出企業という名前だけで、影響を決めない

円高が進むと、外貨で受け取る同じ金額を円へ替えた値は小さくなります。一方で、外貨を使って輸入する同じ物の円での負担も小さくなり得ます。シーソーは、このような逆向きの作用を整理する比喩としては使えますが、片側だけを見て株価の結論を出す道具ではありません。

輸出も輸入も行う会社なら、両方の影響を同時に受けます。日本銀行の2022年の解説も、為替の影響が複数の経路を通り、企業の戦略や経済構造で変わることを扱っています。これはその当時の分析であり、現在の特定企業の感応度を示す数字ではありません。

ドルで売上と仕入れがある独自の会社例

架空の会社Aが、一つの期間に10万ドルの商品を売り、仕入れなどで4万ドルを支払うとします。ほかに円で600万円の支出があります。外貨建ての価格・数量は変わらず、売上と支払いの通貨換算には同じ為替を使い、為替予約もないという仮定です。

1ドル150円なら、ドルの差引き6万ドルは900万円となり、円の支出を引いた残りは300万円です。1ドル130円なら、差引きは780万円、残りは180万円です。この残額に入れていない費用や税があればさらに差し引くので、全社の純利益を表す計算ではありません。実際の為替や企業の計画ではなく、二つの条件の独自比較です。

メリットは、影響を受ける経路を分けられる点

例では、円高によって外貨の売上の円換算額が減ると同時に、外貨の仕入れの円での負担も減っています。売上だけを見て受取額の減少をそのまま利益への影響とすれば、仕入れ側の変化を落としてしまいます。差引きでどれほどの外貨が残るかに目を向ける意味があります。

現実には、外貨の受取時期と支払時期、価格を変更できる時期も異なります。現地で生産して現地で売る部分や、為替予約などの条件があれば、短期の為替変化がそのまま決算へ出るとも限りません。同じ輸出産業でも影響が同じと決められない理由です。

経路を整理できても、株価の予測は残る

企業の資料を読むなら、使っている想定為替、外貨建ての売上と費用の範囲、感応度の対象期間を調べられます。会社が示す「1円変動時の影響」も、ほかの条件を固定した試算か、何の利益を対象とするかで意味が違います。

さらに、事業への影響と株価の反応は別です。既に投資家が同じ為替変化を想定している場合や、需要など別の材料が動く場合もあります。たとえの使い道は、勝つ企業をすぐに選ぶことより、良い作用と悪い作用の両方を資料へ戻って追うことにあります。

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