噂で買って事実で売ると投資心理|焦りや思い込みに流されない考え方

期待が大きい時ほど、同じ話が確かに見える

「発表されたらもっと上がる」と思いながら情報を探すと、自分の考えに合う投稿が目につきやすくなります。ほかの人も買っていると聞けば、すでに確かな事実があるように感じることもあります。

噂で買って事実で売る、という格言は、発表前後の期待の変化を考える言葉です。ただし、期待が強まっていることと、その内容が正しいことは同じではありません。発表後に売られると決まった法則でもありません。

複数の投稿が、一つの未確認情報を繰り返す仮例

独自の仮例として、ある会社の新契約を期待している人が、好意的なSNS投稿をいくつも見つけたとします。契約が近いとする投稿をたどると、どれも一つの匿名投稿を引用しており、会社からの正式な発表はまだない設定です。

この場合、投稿の数は増えても、別々の取材や開示で裏付けが増えたわけではありません。自分の期待に沿う話を繰り返し読むと、確認済みの範囲まで広がったように感じる可能性があります。

後に契約自体が発表されたとしても、規模、契約期間、費用、利益への寄与は当初の想像と違うかもしれません。事実だった部分と、そこから自分で膨らませた見通しを分けて読む必要があります。

都合のよい情報と、周囲の勢いを分ける

MoneySenseは、考えに合う情報を重視する確証バイアスや、周囲の利益を逃したくない群集行動を説明しています。自分が買ってから情報の基準が緩んでいないか、他人の値上がり報告を業績の根拠として扱っていないかが点検の対象になります。

利益が出た経験も、噂の見分け方が正しかったと証明するものではありません。たまたま市場全体が上がった可能性や、まだ表れていない損失も残ります。逆に、不安を感じることだけで、会社の見通しが悪化したとも決まりません。

事前の見立てを残すと、後からの言い換えに気付ける

発表前には、会社が公表済みの事項、未確認の観測、自分が置いた予想を分けます。発表後には、どの予想が確かめられ、どれが未確認のままかを照らします。理由の数をそろえるより、結論を変え得る事実を読むことが中心になります。

SECが説明する買いあおり型の詐欺では、虚偽の説明で買いを誘い、保有者が売り抜けます。焦りを利用する投稿の拡散や、発信者の利益にも目を向ける必要があります。心理の名前を知るだけで偏りが消えるわけではなく、売買額と生活資金の区別も残る課題です。

出典