遠い取引先の問題が、自社に届く経路
投資先の工場が無事でも、必要な部品が届かなければ生産が止まる場合があります。供給側の問題が取引を通じて伝わる様子を、ドミノ効果と呼ぶことがあります。影響の大きさや将来の株価を決める公式ではなく、影響のつながりを表す比喩です。
長期保有では、直接の仕入先だけでなく、その仕入先が何に依存しているかも調査の候補になります。企業名を多く持つだけでは、共通の部品や設備に依存する問題まで分散できているとは限りません。公開されていない接点は、未確認のまま残す必要があります。
在庫と切替期間を比べる独自例
架空の製造会社が、一製品につき一個使う部品を3,000個持ち、一稼働日に100個ずつ使うとします。現在の供給先が止まっても、需要と消費量が同じなら、その在庫で30稼働日分を賄えます。
別の供給先を調べ、品質を確認して初回納入まで進むのに、停止時点から45稼働日かかると仮定すれば、間に15稼働日の不足が生じます。元の供給先の復旧、追加在庫、代替品、減産などがない仮定です。暦の日数と稼働日を混ぜず、同じ期間の物差しで比べた計算で、実際の業界の標準納期ではありません。
長期の需要があっても、当面の損失は残る
例で最終製品への需要が失われていなくても、部品が届かない間の生産と納入には支障が出ます。注文を後へ延ばせるか、顧客が他社へ切り替えるかで、売上を取り戻せる範囲は異なります。工場や人員の固定費、追加調達の費用なども負担になります。
一方、在庫を厚くすれば常に最善とも限りません。保管費用、資金の拘束、需要変化による余剰在庫の問題があります。代替先の準備も費用を伴うため、備えの有無だけでなく、何をどれほど守ろうとしているかを読む必要があります。
連鎖を止める条件も、同じように調べる
金利上昇や信用不安の波及を考える場合も、借入条件、返済期限、手元資金などにより負担は変わります。供給停止の例と同じ式で全部を測ることはできませんが、問題が伝わる接点と、伝わりにくくする条件を分ける姿勢は使えます。
事業の復旧予定が変わったり、代替供給の見通しが具体化したりすれば、仮説も見直します。「連鎖だから全部危ない」と結論を広げず、「長期だから大丈夫」と止めもしないことです。例なら、在庫日数と切替の進捗を読み、当初の成長見通しを保てる条件が残っているかを検討する作業になります。