今日上がったことと、上昇トレンドを分ける
株価が前日より上がっても、大きな流れでは下落の途中かもしれません。ダウ理論を学ぶ時は、一回の上げ下げと、いくつかの山や谷が作る方向を分けて考えることから入ります。
ダウ理論は、チャールズ・ダウの相場観を基にした、トレンドを読む古典的な考え方です。価格に情報が反映されるという見方、長さの違うトレンド、指数どうしや出来高による確認などを含みます。価格がいつでも正しい価値を示す、将来の値動きを確実に予言できる、という証明ではありません。
高値と安値の並びを、架空の図で確かめる
独自の模式図では、価格の山を1,100円、1,200円、1,300円、谷を900円、1,000円、1,100円と置いています。山も谷も前より高くなっているため、上昇方向の構造を表す例です。下落方向を見る場合は、その逆に山と谷が切り下がるかが材料になります。
図は山と谷を説明用に置いたもので、実際の銘柄の日足や週足ではありません。横軸も観測の順番だけを表し、何日で成立するかや、どこで購入するかは示していません。
実際には、今の値段が谷になるかは、その後に反発しなければ分からない部分があります。完成後に山谷を選んだ図と、途中で利用できる情報を同じものとして扱わないことが必要です。
短い調整と、大きな流れを混ぜない
長い上昇の中に中期の下落があり、その中でさらに短い反発が起きることもあります。どの期間の足と、どの程度の山谷を見ているかによって、判断の対象は違います。目先の小さな安値を一度割っただけで、すべての時間軸の転換を確認したとは言えません。
古典的なダウ理論には、米国の工業株と輸送株の指数が互いに動きを確認する見方や、出来高で裏付けを読む考えもあります。一銘柄の山谷を描くことは、こうした条件を含む市場全体の判定と同じではありません。
トレンドの観察と、売買の採算は別に考える
方向を確かめてから判断するため、最安値や最高値を後から取り逃す部分は残ります。逆に、転換を早く言い当てようとして小さな動きまで採用すれば、見誤りも増える可能性があります。
どのデータと期間で判断したかを残し、事業の見通しや保有量、必要な資金の時期と合わせて検討します。トレンドが上向きに見えることだけでは、費用を含めた採算や、損失の上限、注文が成立する価格まで決まりません。