高値か安値の、都合のよい方だけを見る
ダウ理論を山谷の見方から学ぶ時、上昇方向なら高値と安値がともに切り上がるか、下降方向ならともに切り下がるかが材料になります。高値の更新だけを見て安心したり、わずかな安値割れだけで長期の下降を断定したりすると、観察が片方へ偏ります。
ダウ理論はトレンドを整理する考え方で、どの銘柄でも一度の変化が次の方向を確定する仕組みではありません。
高値は上がり、安値は下がる独自の仮例
架空の価格で、前の高値が1,200円、安値が1,100円だったとします。次の高値は1,300円へ上がりましたが、次の安値は1,020円へ下がり、その後に反発して、これらを山谷として確認した設定です。
高値だけなら切り上がりですが、安値は切り下がっています。高値と安値がともに上がる形とは違います。一方で、高値まで切り下がっているわけではないので、この並びだけを単純な下降の形とも呼べません。
この例では、きれいな二択へ押し込むより、変動の範囲が広がったことや、従来の見立てと矛盾する点を残すことになります。実際の銘柄の予測でも、この価格差から売買益を求める設定でもありません。
完成後の山谷を、当時も見えていたことにしない
その時の価格が安値だったかは、その後の動きによって分かる部分があります。後から反発を見て選んだ谷を、当時確定していた買い時として数えると、判断に使えた情報を取り違えます。
短い足で見つけた小さな節目を、長い足の大きな流れと交換することにも注意が要ります。使った期間と、どの変化を山谷と採ったかを残すと、結果を知ってから基準を変えた部分を探しやすくなります。
方向の見立てを、損失の上限へ変えない
価格の構造が崩れたら売ると考えていても、急変時に予定した価格で売れるとは限りません。逆指値の条件に達した後の実注文も、条件価格での成立や全数量の約定が保証されるわけではありません。
また、複数の指数や出来高で読む古典的な確認を、一銘柄の線だけで終えたことにはできません。価格の観察に加え、決算などの予定、保有量、資金の必要時期を照らします。損失を取り返すために量を増やしても、見立ての不確かさが減るわけではありません。
判断のための条件をそろえることと、条件がそろえば必ず利益になることは区別しておく必要があります。