ネットワーク効果と投資心理|焦りや思い込みに流されない考え方

サービスを一緒に使うことと、株を一緒に買うことは別

ネットワーク効果は、参加者の増加がほかの参加者の便益へ影響する仕組みです。知っている相手が増えて便利になることには、実際の意味があります。それをすべて群集心理として片付ける必要はありません。

ただし、便利なサービスを使う判断と、その提供会社の株を買う判断は違います。周囲の人が両方をしていると、二つの根拠が混ざってしまうことがあります。

友人同士の連絡サービスを考える独自の仮例

架空の場面で、友人が同じ連絡サービスを使い始め、自分も参加して連絡しやすくなったとします。自分にとって必要な相手が集まったという体験は、その範囲での便益を示す手掛かりになります。

しかし、そこから全国でも同じように使われている、全員が料金を払う、会社の利益も増えている、とまでは分かりません。身近な友人の年齢や地域、目的が似ていれば、ほかの利用者とは条件が違う可能性もあります。

さらに友人がその会社の株を買ったと聞き、自分も買いたくなったとします。その友人の購入は、新しい利用者の便益を確かめた情報ではなく、ほかの投資家の行動です。サービスの選択と株式の選択を、一つの流れとして正当化しない区別が必要になります。

好きな体験に合う情報だけを集めていないか

MoneySenseは、自分の見方に合う情報を重視する確証バイアスや、周囲の利益を逃したくなる群集行動を説明しています。愛用している会社について、利用者増の話は読む一方、費用や解約、収益化の難しさを読まなくなっていないかが一つの点検です。

逆に、個人的に使わないサービスだから、ほかの利用者にも価値がないと決めることもできません。体験から得た問いを、会社の開示や別の利用場面で確かめるという順序が考えられます。

便利さから、株式の見通しまでの段階を分ける

実際の利用が定着しているか、料金を受け取る相手がいるか、維持や開発の費用を賄っているかは、事業を読む問いです。さらに、その成長をどの程度見込んだ価格で買うかが、投資の問いになります。

友人が利益を得たとしても、購入時期や保有量は自分と同じとは限りません。使用体験、開示で分かったこと、未確認の予想を分けて残すと、気に入った商品への評価と、株価への期待を同じものにしにくくなります。

身近な発見は調査のきっかけになりますが、それだけで将来の収益や価格を確かめたことにはなりません。

出典