どれも「上がりそうな形」とまとめない
下がった株価が戻る場面は、複数のパターンに似て見えることがあります。しかし、カップウィズハンドル、ダブルボトム、ボックス相場は、何を観察しているかが違います。同じ買い材料を三つ見つけた、と数える前に区別する必要があります。
カップウィズハンドルは、上昇の後の丸い調整と右側の小持合いに注目します。ダブルボトムは、下落後の二度の安値と、その間の戻り高値を超えるかを見る形です。ボックス相場は、ある価格帯の中を行き来する状態を表します。
比べる軸は、それまでの動きと、まだ起きていない動き
| 見方 | 観察の中心 | 名前だけでは決まらないこと |
|---|---|---|
| カップウィズハンドル | 先行上昇、丸い調整、ハンドル、その後の上抜け | 上抜け後も上昇が続くか |
| ダブルボトム | 二つの安値と、間にある戻り高値 | 近い安値が必ず底になるか |
| ボックス相場 | 観測した上下の価格帯と、その中の往来 | 価格帯を抜ける方向と時期 |
この違いは、どの名前の方が優れているという順位ではありません。上昇継続を考えているのか、下落からの反転を考えているのか、方向が出ていない範囲を見ているのかという、問いの違いです。
右側が戻っただけの場面で、呼び名を急がない
独自の仮例で、上昇後の高値1,200円から1,000円へ丸く調整し、1,190円まで戻った株を考えます。この時点では、右側のハンドルに相当する持合いも、その後の上抜けも、まだ観測していないとします。
この形をカップの候補と見ることはできても、完成したパターンを見たことにはなりません。また、二つ目の安値がないのにダブルボトムと数えたり、一往復だけで将来も同じボックスが続くと考えたりするのも、観察していない動きを補っています。
最後に上がった図から途中の形を探すことと、いま得られる情報だけで判断することは違います。複数の呼び名を付けても、将来の価格が決まるわけではありません。
期間や価格の種類をそろえて見比べる
日足と週足、終値と日中の高安では、見える凹みの数や丸みも変わります。比較では足の期間をそろえ、分割などによる価格調整の有無も確かめます。都合のよい区間だけを切り出すと、同じ名前で呼んでいても条件がずれます。
出来高、決算発表の時期、売買のしやすさは、形の分類とは別に残る材料です。パターンを分類できたことは、注文の成立や許容できる損失まで確認したことにはなりません。