働きながら投資すれば、収入は必ず安定するのか
給与とは別の収益源があると安心できそうでも、投資の利益は毎月決まって入るものではありません。株価が下がる時に転職や休職が重なれば、収入が減ったうえに、安くなった資産を生活費へ回す状況も起こり得ます。
ここでいう仕事と投資の両立は、働いて得る収入を家計の基礎にしながら、使う時期までの資金を運用することです。本業、転職、副業は働き方や時間の配分を変える選択であり、金融商品の売買とは収入の生じ方が違います。どちらも、自動的に不足を埋める手段にはなりません。
転職期間の生活費を、値下がりした株で賄う仮例
独自の仮例として、転職で収入のない期間が3か月あり、生活費が毎月25万円かかる家計を考えます。必要額は75万円です。手元の現金が40万円なら、別に35万円を用意する必要があります。
その時、時価60万円だった保有株が40%下がると、残高は36万円になります。35万円を売却して不足を埋められたとしても、残る株は時価1万円分です。現金を使う時期と下落が重なったため、回復を待つ余地が小さくなる例です。
給付金、副収入、家族からの支援はなく、生活費は一定とし、売買費用や税金は除いています。株は必要額を換金できると仮定した概算で、すべての家計に同じ現金額を求める計算ではありません。
勤務先の景気と、保有先の偏りが重なることもある
勤務先の株や同業種の株を多く持つ場合、事業環境の悪化が給与・賞与と資産価格の両方に響く可能性があります。仕事で詳しい業界だからといって、家計全体の危険まで小さくなるとは限りません。違う会社名でも、同じ取引先や商品市況に依存している場合があります。
家計を見る時は、保有銘柄の数だけでなく、収入が減る状況と資産が下がる状況を並べます。両者が必ず同時に悪化するという予測ではなく、重なった場合に何を取り崩すかを考えるためです。
売買に使う時間も、家計の外にある費用ではない
勤務中の値動きが気になって仕事が進まない、睡眠を削って決算を読む、といった負担もあります。売買益が出ても、それに伴う疲労や本業への影響まで消えるわけではありません。
生活費を使う時期、換金までの時間、相場を調べる余裕を先に整理すると、働き方と無理なく組み合わせられる運用方法を比べやすくなります。長期保有や積立も元本を保証しないため、管理の手間が少ないことと、損失がないことは分けて考えます。