十万円で買った株が七万円になったら
調査に20時間かけて10万円で買った株が、今は7万円で売れるとします。「これだけ調べたのだから持ち続ける」という理由は、今後の収益やリスクを説明していません。
サンクコストは、すでに支払い、これからの選択では取り戻せない費用です。過去の出費が惜しいために、今後の不利な選択まで続けるのがサンクコスト効果です。取り戻せない過去の努力と、現在残っている資産を分けて考えます。
売却できる七万円は今の選択に含める
以前10万円払った事実と、今7万円で売却できる資産が残っている事実は違います。過去の取得費を惜しむだけの理由を除くとしても、現在の7万円まで無価値として無視してはいけません。保有を続ければ7万円をその会社へ置くことになり、売れば別の使途へ替えられます。
「今7万円の現金があっても同じ株を選ぶか」という問いは比較の入口になります。ただし実際の売却には費用や税の影響があり、現金から新しく買う場合と条件が完全に同じとは限りません。
売るか持つかは、将来の条件から比べる
今の7万円を同じ株で持つ案と、現金にする案を比べるなら、今後の値上がりの根拠、値下がり時の負担、近い支出に使う予定を並べます。購入価格に戻るまで待つという希望だけでは、この比較に答えられません。売買費用や売却に伴う税など、選択によって変わる負担は将来の条件として考慮します。
値下がりした株を売ることが常に合理的という意味でもありません。会社の見通しと価格の関係から継続に根拠が残る場合はあります。除くのは過去の出費を惜しむだけの理由であり、今後期待する利益やリスクまで除くわけではありません。過去の損失の大きさと、現在残る資金の使い方を別の問いにする考え方です。
返金可能な支払いは全額を除外しない
支払い済みでも、今キャンセルすれば返金を受けられる契約なら、その返金は現在の選択で変わる金額です。返らない部分と返る部分を分けます。同様に、解約手数料や今後の保管費用なども、過去に発生済みの費用とは扱いが違います。
この区別は、過去の損失を軽く扱うためのものではありません。過去の結果は記録として残し、次の判断では変えられる条件を使います。損失を取り戻すことだけを目標に買い増すと、将来の資金まで同じ会社の成否に縛ることになります。