勝率だけでは成績を測れない
勝率は、利益になった取引の割合です。しかし、勝ちの平均額が小さく、負けの平均額が大きければ、勝率が高くても全体の損益はマイナスになり得ます。反対に、勝率が低くても一回の利益が損失を十分に上回る戦略は、費用を差し引いた後にプラスとなる可能性があります。勝率と損益比のどちらか一方だけで、手法の良し悪しは決められません。
たとえば、10回のうち7回で1,000円ずつ利益を得ても、残る3回で各3,000円を失えば、売買手数料などを考える前から合計はマイナスです。これは説明用の単純な例で、実際の取引結果を予測する数字ではありません。利益の平均額、損失の平均額、取引回数、費用を記録して初めて、過去の成績を評価できます。
損失上限を決める限界
一回の取引で許容する損失額を決めると、予想外の値動きが資産全体へ与える影響を抑える助けになります。ただし、逆指値を置いても、急落や流動性の低下で指定価格より不利に約定する場合があります。連敗が続く可能性もあるため、一回の上限だけでなく、保有銘柄の集中度や取引停止を検討する条件も確認します。
「勝率より損失管理」という表現は、利益を保証する規則ではありません。損失を小さく保つ工夫と、手法の期待収益を検証する作業を組み合わせます。