TAX RETURN 米国株の確定申告 必要なケース・不要なケースを整理 原則不要になりやすい ・特定口座(源泉徴収あり) ・新NISAのみで取引 検討・必要になりやすい ・外国税額控除を使う ・損失の繰越控除を使う 口座区分、損益、使いたい控除を分けて判断する。

確定申告が不要になりやすいケース

次のような場合は、一般的に確定申告が不要になりやすいです。

  • 特定口座(源泉徴収あり)で取引している
  • 売却益や配当金の税金が証券会社で計算・徴収されている
  • 外国税額控除を利用しない
  • 損失の繰越控除を利用しない
  • 新NISA口座のみで取引している

投資初心者の多くは、まずこの形に近いはずです。

特定口座(源泉徴収あり)は、証券会社が口座内の損益や税額を計算し、必要な税金を源泉徴収する仕組みです。そのため、米国株を買っただけ、または特定口座内で取引して税金処理まで終わっているだけなら、すぐに確定申告が必要になるわけではありません。

確定申告が必要・検討になるケース

次のような場合は、確定申告を検討します。

1. 外国税額控除を利用したい

米国株の配当金には、米国と日本の両方で課税されることがあります。

この二重課税を調整する制度が外国税額控除です。外国税額控除を受けるには、原則として確定申告が必要です。

ただし、米国で引かれた税金が必ず全額戻るわけではありません。控除できる金額は、所得金額、国内の税額、控除限度額などによって変わります。

2. 損失を翌年以降に繰り越したい

株式投資で損失が出た場合、一定の要件を満たせば、損失を最長3年間繰り越せる制度があります。

この繰越控除を利用するには、損失が出た年から継続して確定申告を行う必要があります。

例えば、今年の米国株取引で損失が出ても、翌年以降の利益や配当と通算できる可能性があります。ただし、自動で繰り越されるわけではないため、申告手続きが必要です。

3. 一般口座・特定口座(源泉徴収なし)を利用している

一般口座や特定口座(源泉徴収なし)では、証券会社が税金を源泉徴収しないため、自分で年間の損益や税額を確認する必要があります。

年間取引報告書や取引報告書をもとに、必要に応じて確定申告を行います。

取引件数が多い人、複数の証券会社を使っている人、円換算の損益が分かりにくい人は、早めに資料を整理しておく方が安全です。

新NISAならどうなる?

新NISA口座で得た売却益や、日本で課税される配当金は非課税です。そのため、新NISA口座内の利益だけを理由に確定申告をする必要は基本的にありません。

ただし、米国株や米国ETFの配当金では、米国で源泉徴収される税金は原則として残ります。

また、NISA口座では日本側の税金が非課税になるため、米国で源泉徴収された税金について外国税額控除を利用できないのが一般的です。

ここは少し紛らわしいところです。新NISAは「日本の税金が非課税」になる制度であって、米国の源泉徴収税までゼロにする制度ではありません。

確定申告の判断目安

ケース確定申告の目安
特定口座(源泉徴収あり)のみ原則不要
外国税額控除を利用したい原則必要
損失を繰り越したい必要
一般口座で取引している必要な場合あり
特定口座(源泉徴収なし)で利益がある必要な場合あり
新NISAのみで取引している原則不要

この表はあくまで入り口です。給与所得、ほかの副収入、医療費控除、ふるさと納税、住宅ローン控除など、投資以外の理由で確定申告をする場合は、申告内容全体で判断する必要があります。

よくある勘違い

米国株を買っただけで確定申告が必要

購入しただけでは利益も配当も発生していないため、それだけで確定申告が必要になるわけではありません。

特定口座でも必ず確定申告が必要

特定口座(源泉徴収あり)なら、多くの場合は申告不要を選べます。ただし、外国税額控除や損失の繰越控除を使いたい場合は、申告を検討します。

損失が出たら何もしなくていい

損失を翌年以降に繰り越したい場合は、確定申告が必要です。何もしないと、将来の利益と通算できる機会を失うことがあります。

新NISAなら外国税も戻せる

新NISAでは日本の税金は非課税ですが、米国で源泉徴収された税金について外国税額控除を使えないのが一般的です。

まとめ

米国株投資では、特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合、多くの人は確定申告が不要になりやすいです。

一方で、次のようなケースでは確定申告を検討します。

  • 外国税額控除を利用したい
  • 損失を翌年以降に繰り越したい
  • 一般口座や特定口座(源泉徴収なし)で取引している
  • 投資以外の理由で確定申告をする必要がある

確定申告は、米国株を持っているかどうかだけで決まるものではありません。自分の口座の種類、配当金の有無、損益、使いたい控除を分けて確認すると、かなり判断しやすくなります。

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出典・参考