FAS注文の仕組み
FAS(Fill and Store)は、注文を登録した時点で全数量が約定しなくても、未約定分を注文板へ残す条件です。一部約定した後も、残数量は有効期限や取消しまで約定を待ちます。
100枚の買い注文に対し、指定価格以内で70枚が約定できるなら、70枚はすぐ成立し、30枚は板へ登録されます。後から条件に合う売り注文が入れば、残る30枚も約定する可能性があります。
FAK・FOKとの違い
| 条件 | 一部約定 | 残数量 |
|---|---|---|
| FAS | 認める | 板に残す |
| FAK | 認める | 直ちに失効 |
| FOK | 認めない | 全量を直ちに約定できなければ全量失効 |
FASとFAKは一部約定を認めます。違うのは、その後も残数量を有効にするかどうかです。FOKは「全部かゼロ」であり、そもそも一部だけ成立することがありません。
通常の指値注文との関係
FASは未約定分を板に残すため、感覚としては通常の指値注文に近く見えます。ただし、FASは東京商品取引所の商品先物などで使われる約定条件の名称です。国内現物株の注文画面で一般的に選ぶ条件ではありません。
残数量がいつまで有効かは、GFD、GTD、GTCなどの有効期限条件にも左右されます。FASを選んだだけで無期限に注文が残るわけではありません。
使うときの注意点
- 板に残った注文は市場参加者から見える場合がある
- 相場が反転すると、忘れていた残数量が後から約定することがある
- 訂正すると時間優先順位が変わる場合がある
- 成行注文ではFASを指定できない時間帯や市場がある
「今ある数量だけ欲しい」ならFAK、「必要数量がそろわなければ取引しない」ならFOKのほうが目的に合います。FASでは残数量と有効期限をセットで管理することが欠かせません。
まとめ
FAS注文は、一部約定後の未約定分を板に残して、引き続き約定を待つ条件です。FAKやFOKとの違いに加え、有効期限と取消し忘れにも注意しましょう。
※注文仕様は2026年8月11日時点で確認しています。