CAGRとは?年平均成長率で長期の伸びを比べる

途中の振れをならして成長を見る

CAGRは「年平均成長率」と訳され、ある期間の始点から終点までの伸びを、毎年一定の率で成長したと仮定して表します。計算式は「(期末の値 ÷ 期首の値)の(1 ÷ 年数)乗 − 1」です。たとえば売上高が3年間で100億円から133.1億円になったなら、CAGRは年10%です。

単純平均と違い、複利で積み上がる変化を考慮します。毎年の成長率が+30%、-20%、+30%のように大きく揺れた場合でも、CAGRは期間全体を一本の年率に置き換えます。そのため事業の道のりを示すというより、異なる期間や会社の成長ペースをざっくり並べる物差しです。

比較の前に期間と数字をそろえる

企業を比べるなら、売上・営業利益・EPSのどれで計算したか、何年間を対象にしたかを合わせます。短い期間では一時的な特需や景気変動がCAGRを大きく動かします。コロナ禍の谷からの回復を含む3年と、平時の5年をそのまま比べると、成長力を取り違えることがあります。

始点がゼロやマイナスの場合、通常のCAGRは計算できません。赤字から黒字に転じた会社の「利益成長率」を無理にCAGRで表すのではなく、売上推移、損益改善の要因、黒字化後の利益水準を別々に追う方が実態に近づきます。

高い数字の裏にあるもの

CAGRは過去の結果であり、将来予測ではありません。買収で売上が増えたのか、既存事業が伸びたのかでも持続性は違います。決算資料では、成長率の数字に加えて、数量・単価・為替・買収効果の内訳を探してみます。

株式投資では、過去のCAGRが高い銘柄に期待が集まり、株価がすでに高く評価されていることもあります。成長率だけで判断せず、利益率やキャッシュフロー、現在の企業価値と合わせて読むのが現実的です。

複数社を比較する時は、会計年度の長さや決算期変更、買収による連結範囲の変化にも気を配ります。売上の定義や対象事業が揃っていなければ、CAGRの差は成長力以外の要因を含んでいる可能性があります。

関連記事