VaRとは?一定の確率で想定する損失額の目安

「損失がこれ以上ない」という数字ではない

VaR(Value at Risk)は、一定の期間と信頼水準を決め、損失額がどの程度になるかを推計するリスク指標です。たとえば「1日VaRが100万円、信頼水準99%」という説明は、モデルの前提の下で、1日の損失が100万円を超えないと推計する確率が99%という意味合いです。実際に損失が100万円に制限されるわけではありません。

信頼水準を95%から99%に上げれば、通常はより大きな損失額が示されます。対象期間を1日から10日に変えても数値は変化します。比較する時は、金額だけでなく期間と信頼水準を揃える必要があります。

推計方法で結果が違う

VaRは過去の値動きをそのまま使う方法、確率分布を仮定する方法、複数の市場シナリオを組む方法などで計算されます。どの手法でも、使うデータと仮定が結果を左右します。穏やかな相場のデータを中心にしたモデルは、急激な市場変動の可能性を小さく見積もることがあります。

VaRが同じ二つのポートフォリオでも、VaRを超えた後にどれほど損失が膨らむかは違う場合があります。極端な危機時の損失分布を表し切れないことがあるためです。ストレステストや想定シナリオ、最大ドローダウンなどと組み合わせれば、弱点を補いやすくなります。

個人投資家が見る場面

VaRは金融機関のリスク管理でよく使われる指標ですが、投資信託や運用報告で見かけることもあります。数字が載っていたら、計算対象、観測期間、信頼水準が説明されているかを読みます。条件が書かれていない場合、別の商品や過去の数字と直接比較するのは難しいものです。

VaRを使う分析では、推計期間に金融危機や急激な為替変動が含まれているかで評価が変わります。平常時の数字に加えて、特定のショックを置いたストレスシナリオが示されていれば、損失の裾にどれほど余地があるかも比べられます。

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