標準偏差とは?価格変動の大きさを数字で見る

平均からの「振れ幅」を測る

標準偏差は、データが平均値の周りにどの程度散らばるかを表す統計量です。投資では月次や日次のリターンを使い、値動きの大きさを比べる場面があります。同じ期間・同じ頻度で計算したとき、標準偏差が大きい資産は過去のリターンが広く振れたことを意味します。

たとえば年率リターンの標準偏差が高い投資信託は、平均収益が同じでも上下動が大きかった可能性があります。ただし標準偏差は上昇と下落を区別しません。大幅上昇も散らばりを広げるため、下落リスクそのものと同一視はできません。

「年率」の比較で期間をそろえる

月次データから計算した値を年率に換算することがありますが、その方法や観測期間が違うと比較がずれます。短い期間の標準偏差は、その間に起きた特定の出来事に強く左右されます。商品資料の数字を見る際は、対象期間、リターンの頻度、年率換算の有無をそろえます。

標準偏差が過去に小さかったからといって、今後も値動きが穏やかとは限りません。金利ショックや信用不安など、過去のデータにない事態が起きれば振れ方は変わります。また、価格変動が正規分布に従うという仮定は、極端な値動きを過小評価することがあります。

自分の運用に引き寄せて使う

投資信託を比べるなら、標準偏差だけをランキングのように見ず、投資対象、下落局面の最大下落率、手数料と並べます。値動きの大きさを自分の家計や投資期間で受け止められるかを考える材料であり、最も小さい商品が誰にとっても最適という意味ではありません。

標準偏差は過去を要約した一つの物差しです。実際のリスク感覚には、最大ドローダウンや資産配分、投資額も関わるため、数字の定義を確かめながら使います。

年率換算は、独立したリターンが積み重なるという仮定などに基づく目安です。市場の値動きには連続性や急変があるため、異なる資料の標準偏差をそのまま横並びにせず、計算条件の注記を読んでから比較します。

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