今日の見方
今回の第25回債で最初に注目したいのは、当初5年間の仮条件が年2.400%〜3.200%まで上昇していることです。
ただし、これは2026年8月18日時点の仮条件であり、最終利率は8月28日に決定予定です。
また、満期は2036年9月11日ですが、2031年9月11日に発行会社が期限前償還できる設計です。つまり、投資家が自由に「5年で償還」を選べるわけではありません。
2031年に期限前償還されなかった場合は、以後の利率が5年国債金利を基準に再設定されます。このため、単純な10年間固定金利の社債とは性格が異なります。
募集条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行体 | 三井住友トラストグループ株式会社 |
| 証券コード | 8309 |
| 銘柄名 | 第25回期限前償還条項付無担保社債(劣後特約及び実質破綻時債務免除特約付) |
| 期間 | 10年 |
| 当初5年間の利率 | 年2.400%〜3.200%(仮条件・税引前) |
| 5年経過後 | 5年国債金利+0.250%〜1.050%(仮条件) |
| 条件決定日 | 2026年8月28日 |
| 申込期間 | 2026年8月31日〜9月10日 |
| 発行価格 | 額面100円につき100円 |
| 申込単位 | 100万円以上100万円単位 |
| 払込期日 | 2026年9月11日 |
| 利払日 | 毎年3月11日・9月11日 |
| 初回利払日 | 2027年3月11日 |
| 償還期限 | 2036年9月11日 |
| 任意期限前償還日 | 2031年9月11日 |
| 取得予定格付 | A+(R&I)、AA-(JCR) |
なお、発行金額は今回確認した野村證券の案内資料には記載されていません。過去の別債券の80億円を今回の第25回債に転用しないよう注意が必要です。
注目ニュース
1. 「10年債」だが、5年後の期限前償還が重要
形式上の償還期限は2036年9月11日ですが、発行会社は2031年9月11日に、あらかじめ金融庁長官の確認を受けたうえで、残存する社債の全部を額面100円につき100円で期限前償還できます。
一部だけを期限前償還することはできません。
そのため投資家側では、
2031年に償還されるケース → 当初5年間の利率が実質的な収益の中心
2031年に償還されないケース → 5年国債金利+スプレッドへ移行し、2036年まで保有する可能性
の2つを考えておく必要があります。
2. 2.400%〜3.200%は「劣後リスク込み」の金利
一般的な普通社債より高い利率が提示される背景には、劣後特約があります。
発行会社の破綻時などには、通常のシニア債より弁済順位が低くなります。また、本債には実質破綻時債務免除特約が付いており、実質破綻事由が発生した場合、条件に従って元利金の支払債務が免除される可能性があります。
したがって、表面利率だけを預金金利や国債利回りと比較するのではなく、信用リスクの違いを含めて判断する必要があります。
3. 8月28日の最終利率が重要
2026年8月18日時点では、当初利率はまだ年2.400%〜3.200%の仮条件です。
実際の応募判断では、8月28日に決定する最終利率を確認してから、
- 国債利回りとの差
- 他社の金融機関劣後債との利回り差
- 2031年に期限前償還される場合の収益
- 信用格付と劣後リスク
を比較するのがポイントです。
確認しておきたい日程
| 日付 | 注視点 |
|---|---|
| 2026-08-28 | 条件決定日。最終利率を確認 |
| 2026-08-31 | 申込受付開始 |
| 2026-09-10 | 申込最終日 |
| 2026-09-11 | 払込期日・利息計算開始 |
| 2027-03-11 | 初回利払日 |
| 2031-09-11 | 発行会社による期限前償還が可能となる日 |
| 2036-09-11 | 最終償還期限 |
販売額には限りがあり、申込期間中でも売り切れる可能性があります。
関連ページ
出典
- 野村證券「三井住友トラストグループ株式会社 第25回期限前償還条項付無担保社債 発行のご案内」
- 三井住友トラストグループ「社債情報」