今日の見方
報告対象のOTC全体は増加しましたが、最大の金利関連はほぼ横ばいです。内訳では円建て金利取引が29.1兆米ドルと2.6%増え、外為関連では1年以内が7.7兆米ドルと6.9%増加しました。クレジット関連の伸び率は大きいものの、残高はOTC全体の約1%で、規模と変化率を分けて読む必要があります。
想定元本残高から、期間中の取引量、手数料収益、時価評価額、担保負担の増減を直接読み取ることはできません。円相場や国債利回り、日本株の方向をこの統計だけで判断せず、金融機関の決算で市場部門収益やデリバティブ資産・負債を照合します。
注目ニュース
1. OTC残高94.8兆ドル、取引所取引は前期比12.9%増
2026年6月末の想定元本は、OTC取引が94.8兆米ドル、取引所取引が4.5兆米ドルでした。前期比はそれぞれ1.3%増、12.9%増で、取引所取引の伸びが相対的に大きくなりました。
投資家が見る点: 想定元本は契約額の尺度であり、時価評価額や損失見込み額とは一致しません。残高増を金融機関の増益やリスク増加へ直結させず、収益とエクスポージャーを個別に確認します。
2. 金利関連は横ばい、外為・信用関連が増加
OTCの内訳は金利関連81.9兆米ドル、外為関連11.3兆米ドル、クレジット関連1.0兆米ドルです。金利取引の対CCP残高は62.2兆米ドルと0.1%増、外為取引の対報告対象外金融機関は2.2兆米ドルと15.3%増でした。
投資家が見る点: この報告は時価、市場部門収益、担保額を示していません。銀行、証券、保険では保有目的や取引相手が異なるため、各社の決算・リスク開示と照合します。
3. 前期値の訂正と今後の比較に注意
日本銀行は同日、2025年12月末の公表計数を一部訂正したと発表しました。本稿の前期比は2026年9月10日の結果ページに掲載された数値です。長期推移を比べる場合は、訂正後の時系列データを使う必要があります。
株価材料として見る点: 統計は主要ディーラーの取引残高構成を確認する材料で、当日の株価方向を単独で決める性質ではありません。金融株では決算開示の市場部門収益、信用評価調整、担保・清算関連費用まで確認します。