来週の3行予測

  • 週初は下方向の圧力が優勢。 日経225先物は10月17日6時に63,630円で終え、16日の現物終値を約1,700円下回った。
  • 半導体は「業績」より「金利・AI投資採算・需給」の影響が大きい。 SOX8日続落後の下げ止まりと、10月22日のディスコ決算が最重要材料になる。
  • 資源優位、空運・小売は慎重。 Brent109ドル台、WTI101ドル台が続けば、原油高の業種間格差が拡大しやすい。

① 来週の日経平均・TOPIXシナリオ

事実

10月16日の日経平均は65,324.29円、日中高値65,712.30円、安値64,800.90円。TOPIXは4,066.00だった。日経225先物12月限は日中取引を65,520円で終えた後、夜間取引では17日6時に63,630円で終了した。日中と夜間の終値は取引時間が異なるため、別の値として扱う。

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予測

シナリオ日経平均の想定TOPIXの想定条件
基本63,500〜66,000円3,950〜4,100夜間先物安を週初に織り込み、SOXの下落が加速しない
強気65,700〜67,800円4,080〜4,180SOX反発、米10年債5%割れ方向、原油上昇一服、ディスコ決算が需要不安を和らげる
弱気61,500〜63,500円3,800〜3,950SOX続落、Brent110ドル超定着、米金利再上昇、中国景気指標の下振れが重なる

下値支持は夜間先物安値圏の63,500円前後、その下は62,000円台が次の心理的な節目となる。戻りでは16日現物安値64,800.90円から終値65,324.29円のゾーンが最初の抵抗帯で、65,700円前後を明確に回復できれば、13〜14日の67,700円台を試す余地が生まれる。

② 米国株・SOX・NVIDIAなど海外要因

10月16日のSOXは11,137.29、前日比3.83%安となり8営業日続落。NASDAQも大きく下落し、AIインフラ企業の資金調達負担や高金利、原油高が同時に意識された。NVIDIAは214.13ドルで終了し、前週末229.28ドルから約6.6%下落している。

TSMCは7〜9月期に増収増益を示した一方、好決算だけでは半導体株全体の売りを止められなかった。来週は「需要実績の強さ」と「高金利下のバリュエーション・AI投資採算」を分けて見る必要がある。

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③ 為替・日米金利・原油

日本銀行の10月16日17時時点のドル円は158円00〜02銭。円安水準は自動車・機械など輸出企業の円換算利益には支援材料となるが、原油100ドル超と組み合わさると、輸入コスト上昇を通じて内需企業の利益率を圧迫する。

日本の新発10年国債利回りは16日に2.930%。米財務省の16日データでは米10年債利回りは5.09%だった。国内金利2.9〜3.0%台は銀行・保険の運用環境には支援材料だが、米金利5%台は高PERの半導体・グロース株にとって評価負担となる。

原油は16日にWTI101.41ドル、Brent109.86ドル。資源・石油株には追い風となる一方、空運、陸運、小売、化学の一部には燃料・物流コスト上昇が逆風となる。

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④ 来週の重要経済指標・中央銀行イベント

日付イベント日本株への主な経路
10/19(月)中国国家統計局の公表予定(9:30、10:00)公表内容と数値を受けた中国関連株の反応
10/20(火)財務省 20年利付国債入札国内長期・超長期金利、銀行・保険、REIT
10/21(水)8:50日本 9月貿易統計円相場、輸出株、外需の実績確認
10/22(木)財務省 流動性供給入札国債需給、長期金利
10/23(金)8:30日本 9月全国CPI日銀観測、円、銀行・グロース株

中国国家統計局の公表カレンダーには10月19日9:30、10:00の予定が掲載されているが、一覧ページで統計の名称までは確認できないため、具体的な指標名は記載しない。日本の全国CPIは原則「19日を含む週の金曜日8:30」に公表されるため、今月は10月23日が該当する。

中央銀行の政策会合そのものは来週には予定されていない。FOMCは10月27〜28日、日銀金融政策決定会合は10月29〜30日で、その翌週に控える。したがって来週は、CPIや国債入札を通じて会合前の金利・為替観測が動く週となる。

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⑤ 来週の主要決算予定

一次情報で日程を確認できた主要銘柄では、ディスコ(6146)が10月22日16:00に2026年度第2四半期決算を発表予定。10月6日に個別売上高・出荷額の速報値を開示済みであり、本決算では利益率、需要の持続性、会社側の見通し、半導体設備投資へのコメントが焦点となる。

今週の半導体株は、TSMCの好決算でも株価調整が続いた。ディスコでも単純な増収・増益だけでなく、受注・出荷の質、採算、先行き見通しと市場評価の差が重要になる。

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⑥ IPO・株主還元・需給イベント

10月19日はH.K.Kインベストメント(649A)がTOKYO PRO Marketへ上場予定。通常のプライム・スタンダード・グロース市場のIPOとは市場性が異なるため、一般IPOの需給材料とは分けて扱う必要がある。10月23日にはiFreeETF 先進国エネルギー上流企業株の新規上場が予定されており、原油高局面でエネルギー関連商品の注目度が高まりやすい。

直近の株主還元では、自社株買い、自己株式消却、優待変更などの開示が続いた。来週分はTDnetで日々更新されるため、事前に未公表の案件を見込まない。ToSTNeT-3を利用する自己株取得が出た場合、これは立会外の自己株式取得専用取引であり、通常市場で継続的な買い需要が発生する市場買付とは異なる。

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⑦ 来週強そうな業種・弱そうな業種

業種見方来週の主なドライバー
資源・石油相対優位WTI100ドル、Brent109ドル台。原油高が続く場合の収益押し上げ効果
銀行中立〜やや優位国内10年債2.9%台。利ざやへの影響に加え、債券評価損と調達コストにも注意
保険中立〜やや優位長期金利は運用環境を左右する一要因。保有債券の評価変動と株安時の連れ安も残る
自動車中立158円前後の円安は支援、中国景気指標と原油高は負担
半導体慎重SOX8日続落、米金利5%台、ディスコ決算
空運慎重原油100ドル超と円安で燃料費負担が増えやすい
小売・内需選別半導体との相関は低い一方、原油・物流・仕入れコストが逆風

先週から続く材料はSOX安、AI投資採算への警戒、原油高、日米金利の上昇。米9月CPI・PPIは結果が公表済みで、来週はそれを受けた金利の反応が焦点となる。新たに加わる材料は中国国家統計局の公表予定、国内貿易統計、20年国債入札、ディスコ決算。

⑧ 来週の注目銘柄

  • ディスコ(6146):10月22日16:00に第2四半期決算。半導体実需を測る中心銘柄。好決算でもSOX安が続く場合は株価反応が限定されるリスクがある。
  • アドバンテスト(6857):日経平均の構成ウェートが大きく、SOXとAI投資懸念への感応度が高い。週明けの指数寄与が重要。
  • 東京エレクトロン(8035):半導体製造装置需要と米金利の双方に反応しやすい。65,000円台回復には同社を含む値がさ株の下げ止まりが必要となる。
  • ソフトバンクグループ(9984):AI関連投資先の資金調達環境、NASDAQの変動に連動しやすい。
  • INPEX(1605):原油100ドル超が業績期待を支える一方、地政学プレミアム剥落時には原油価格とともに調整しやすい。
  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306):国内長期金利と日銀会合観測が材料。20年債入札後の金利反応が確認点。
  • ANAホールディングス(9202)・日本航空(9201):原油高と円安が燃料費に逆風。運賃・需要で吸収できるかが焦点となる。

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出典

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来週見るべき3ポイント

  1. 日経225先物が63,500円近辺を保てるか

63,500円は夜間終値63,630円をもとにしたシナリオ上の目安で、確立した支持線ではない。これを下回った場合の値動きは、現物市場の寄り付き後の売買や米国市場の反応とあわせて評価する。

  1. SOX8日続落が止まるか、ディスコ決算が実需を示すか

半導体株は好業績だけで上昇しにくい局面に入っている。SOXの下げ止まりと10月22日のディスコ決算を組み合わせ、需要の強さと株価評価を分けて見る必要がある。

  1. 原油100ドル台と日米金利の組み合わせ

Brent109ドル台、米10年債5%台、日本10年債2.9%台が同時に続けば、資源・金融と半導体・空運・内需の業種格差が拡大しやすい。中国統計、日本の貿易統計・CPI、20年債入札がその方向を左右する。

本稿は2026年10月18日9時(日本時間)までに確認できた情報を基にした見通しで、特定銘柄の売買を推奨するものではない。価格変動により投資元本を割り込む可能性がある。