まず結論
家賃補助を受けながら好きな賃貸物件へ自由に入居できる制度ではありません。被災者、熊本市、貸主の三者で定期建物賃貸借契約を結び、熊本市が借主として家賃などを負担します。
物件探しは被災者側で行いますが、家賃上限、耐震性、貸主の同意を満たさない物件は対象になりません。不動産会社には、熊本市の賃貸型応急住宅として探していることを最初に伝えるのが実務上のポイントです。
入居対象者
次の条件をすべて満たす必要があります。
- 2026年7月28日の災害発生時点で熊本市に居住していた
- 全壊・全焼・流失など、熊本市が定める住家被害要件のいずれかに該当する
- 他に居住できる住宅がなく、自力で住宅を確保できない
- 災害救助法に基づく障害物の除去制度を利用していない
大規模半壊・中規模半壊・半壊の場合も、やむを得ず解体する、長期にわたり居住できない、応急修理に1か月を超える見込みがあるなどの条件を満たせば対象となる場合があります。原則として、り災証明書で被害区分を確認します。
確認日: 2026-08-13
家賃の上限
| 入居人数 | 月額家賃の上限 |
|---|---|
| 1人世帯 | 5万5,000円 |
| 2人世帯 | 6万5,000円 |
| 3〜4人世帯 | 9万5,000円 |
| 5人以上世帯 | 13万円 |
未就学児が2人以上いる場合は、1人あたり0.5人として換算し、小数点以下を四捨五入します。世帯人数の数え方で上限が変わるため、子どもがいる世帯は物件を決める前に確認が必要です。
対象物件は、上限内の家賃であることに加え、熊本市による借上げに貸主が同意し、新耐震基準で建てられた住宅、または耐震性を確認できる住宅でなければなりません。
熊本市と入居者の費用負担
| 熊本市が負担する主な費用 | 上限・条件 |
|---|---|
| 家賃 | 世帯人数別の上限内 |
| 共益費・管理費 | 契約に不可欠なもの |
| 退去修繕負担金(敷金) | 家賃2か月分以内 |
| 礼金 | 家賃1か月分以内 |
| 仲介手数料 | 家賃0.55か月分以内 |
| 鍵交換費 | 社会通念上必要な実費 |
| 損害保険料 | 熊本市が包括契約で加入 |
光熱水費、駐車場料金、ペット飼育料、自治会費、専用設備の使用料、入居者の故意・過失による修繕費は入居者負担です。「家賃以外もすべて無料」ではない点に注意してください。
入居期間
入居日から2年以内です。恒久的な住宅を確保した場合は、期限前でも退去する必要があります。
住宅の応急修理制度を併用する場合は、応急修理の申込日から原則6か月以内で、修理完了後は速やかに退去します。先に賃貸型応急住宅の提供を受けると、後から応急修理を利用できないため、併用を考える世帯は申込み順を必ず確認してください。
すでに民間賃貸へ入居した人
2026年7月28日以降に個人で賃貸契約を結んだ場合でも、入居者と物件が制度要件を満たし、貸主の同意が得られれば、三者契約へ切り替えて入居日にさかのぼり対象となる場合があります。
ただし、個人契約時に支払った仲介手数料、賃貸物件保証金、火災保険料などは遡って市負担にはなりません。すでに契約した人も、追加の支払いをする前に住宅政策課へ相談したいところです。
申込みの流れと注意点
- 熊本市の案内と必要書類を確認する
- 不動産会社へ制度利用を伝えて対象物件を探す
- 入居申込書、誓約書、貸主の同意書などを提出する
- り災証明書や解体・応急修理に関する書類を状況に応じて提出する
- 審査後、貸主・熊本市・被災者の三者で契約する
退去時も終了届が必要で、原則として退去日または契約満了日の早い方から40日前までに提出します。入居後も通常の民間賃貸とは手続きが異なるため、契約書類をまとめて保管しておくと安心です。
まとめ
熊本市の賃貸型応急住宅は、住居を失った被災者の家賃負担を抑えながら仮住まいを確保する制度です。ただし、対象者・物件・費用のすべてに条件があり、物件も自分で探します。
家賃上限を超える物件を決めたり、制度を伝えず個人契約を進めたりすると、対象外費用が生じるおそれがあります。物件探しの前に熊本市住宅政策課(096-328-2989)へ確認してください。