介護テクノロジー導入支援事業費補助金 令和8年度・まず「事前協議」が必要 ① 事前登録 8/31(月) 電子申請システムで登録 ② 協議書類 9/17(木)必着 電子データをメール提出 補助率(要綱案) 4/5以内 上限額は導入内容ごとに異なる 申請区分の基本 ①介護テクノロジー ②道が認める機器 ③パッケージ型 → いずれか1区分のみ ④業務改善支援 → ①〜③の導入と一体的に実施可能 交付決定前に実施した事業の経費は補助対象外 kabutrack.com

まず結論

この補助金で最初に重要なのは、機器を購入することではなく、事前登録と事前協議を期限内に終えることです。

北海道は、補助対象について「交付決定後に実施する事業に係る経費」と明記しています。

そのため、

「補助対象になりそうだから先に契約・購入する」

という進め方は避ける必要があります。

令和8年度のスケジュールは、

  • 事前登録:2026年8月31日(月)まで
  • 事前協議書類:2026年9月17日(木)必着

です。

さらに、補助対象には複数の区分があります。

事業概要では、

①介護テクノロジー ②道が認める機器 ③介護テクノロジーのパッケージ型導入

のうち、申請できるのはいずれか1区分のみです。

これとは別に、

④導入支援と一体的に行う業務改善支援

を組み合わせることができます。

つまり、最初にやるべきなのは、

「何を買いたいか」ではなく「その導入計画がどの申請区分になるか」を確定すること

です。

キャンペーン概要

項目内容
対象事業所道内の介護保険法に基づく指定介護サービス事業所、養護老人ホーム、軽費老人ホーム
主な区分①介護テクノロジー ②道が認める機器 ③パッケージ型導入 ④一体的な業務改善支援
区分の制限①〜③はいずれか1区分のみ申請可能
事前登録令和8年8月31日(月)まで
協議書類提出令和8年9月17日(木)必着
事前登録方法北海道の電子申請システム
協議書類電子データのみ、指定メールアドレスへ提出
補助率交付要綱(案)では補助対象経費の4/5以内
事業開始交付決定後に実施する経費が補助対象

対象は、介護保険法に基づく介護サービスを提供する道内の事業所に加え、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームです。

なお、北海道のページに掲載されている交付要綱と実施要綱は2026年8月15日時点で「案」です。

北海道も、調整中のため内容が変更される可能性があり、FAQも随時更新すると案内しています。

還元率の内訳

この制度では「還元率」より、補助率と補助上限額で考えるのが適切です。

2026年8月15日時点の交付要綱(案)では、補助率は各対象区分とも補助対象経費の4/5以内とされています。

区分主な基準額・上限補助率
介護テクノロジー:移乗・入浴支援、インカム等1機器あたり100万円4/5以内
上記以外の対象機器1機器あたり30万円4/5以内
介護ソフト職員数等により100万〜250万円4/5以内
介護ソフト+定着支援職員数等により115万〜265万円4/5以内
道が認める機器1機器100万円、かつ事業所規模により100万〜250万円4/5以内
パッケージ型導入1事業所あたり1,000万円4/5以内
業務改善支援1事業所あたり48万円4/5以内

介護テクノロジーは、すべての機器が「1台100万円」ではありません。

TAISに介護テクノロジーとして掲載されている機器のうち、

  • 移乗支援
  • 入浴支援
  • 介護業務支援に該当するインカム

などは1台100万円。

それ以外の対象機器は、原則として1台30万円が基準額です。

介護ソフトは職員数で上限が変わる

重点分野「介護業務支援」に該当する介護ソフトは、単純な1台単価ではなく、職員数などによって基準額が変わります。

職員数機器のみ定着支援を含む場合
1〜10名100万円115万円
11〜20名150万円165万円
21〜30名200万円215万円
31名以上250万円265万円

職員数によってライセンス料が変動しない契約の場合は、機器のみ250万円、定着支援込み265万円が基準額です。

また、居宅サービス事業所または居宅介護支援事業所が、補助年度内に「ケアプランデータ連携システム」を使って5事業所以上とデータ連携する場合には、対象となる上限額へ5万円を加算する仕組みがあります。

補助額は「上限額の4/5」が必ずもらえるわけではない

たとえば補助対象経費が100万円なら、

100万円 × 4/5 = 80万円

が一つの計算イメージになります。

ただし、交付要綱(案)では、

「補助対象となる実支出額」と「総事業費から寄附金その他の収入を引いた額」の低い方に補助率を掛け、さらに補助上限額以内とする仕組みです。

1,000円未満の端数は切り捨てられます。

そのため、

基準額=実際にもらえる補助金額

ではありません。

お得になる使い方

  • まず導入したい製品のTAIS掲載状況と「介護テクノロジー」選定状況を確認する
  • 介護ソフト単体なのか、見守り機器などと組み合わせるのかを見積前に整理する
  • 複数種類のテクノロジーを導入する場合は「パッケージ型」に該当しないか確認する
  • 介護ソフトでは職員数とライセンス体系を確認し、正しい基準額で見積もる
  • 交付決定前には、補助対象となる契約・購入を開始しない
  • セキュリティ、LIFE、委員会、ケアプランデータ連携などの要件を機器導入と並行して管理する

特に重要なのが「パッケージ型」です。

たとえば、

介護ソフト+見守り機器

のように、「介護業務支援」に該当するテクノロジーと別の介護テクノロジーを組み合わせて導入する場合は、パッケージ型の対象になります。

さらに令和8年度の事業概要では、

介護ソフト+見守りカメラ+それらとは連動しない電動リフト

のような組み合わせでも、まとめてパッケージ型として申請する例が示されています。

パッケージ型の基準額は1事業所あたり1,000万円なので、複数機器を予定している事業所ほど、個別機器の上限だけを見るのではなく導入構成全体で申請区分を判断することが重要です。

注意点

注意点影響
事前登録が必要8月31日までに電子申請システムで登録
協議書類提出9月17日必着、電子データをメール提出
交付決定前の実施原則として補助対象にならない
区分の重複①〜③は複数区分を同時申請できない
TAIS確認対象区分によってTAIS掲載・選定状況の確認が必要
業務改善支援指定された支援・研修等を少なくとも1つ利用する必要がある
SECURITY ACTION一つ星または二つ星を宣言する必要がある
LIFELIFEへの登録・情報収集への協力が必要
施設・居住系令和8年度内に職員負担軽減等を検討する委員会を設置
通所・訪問・居宅系令和8年度内にケアプランデータ連携システムを利用する必要がある

北海道は、交付決定を受けた事業所に対し、事業完了までに複数の補助要件を満たすことを求めています。

特に全事業所共通で重要なのが業務改善支援です。

次のような取組のいずれかを利用する必要があります。

  • コンサルティング会社等による業務改善支援
  • 北海道介護現場業務改善総合相談センターの相談・研修・伴走支援
  • 北海道が対象としている介護テクノロジー・業務改善関連研修
  • 厚生労働省の生産性向上関連セミナー・研修

単に「機器を買えば補助される」制度ではありません。

「業務改善支援48万円」は自動的にもらえるわけではない

区分④の48万円は、コンサルティング会社等による業務改善支援に要した対象費用の基準額です。

メーカーや販売店による単なる機器の操作説明は、業務改善支援の補助対象には含まれません。

無料の相談窓口や対象研修などを利用して補助要件を満たす方法もあるため、

「補助要件として必要な業務改善」と「48万円の補助対象となる有料コンサルティング」

は分けて理解する必要があります。

購入後にも条件がある

交付要綱(案)では、補助金で購入した機器を3年を経過する前に処分した場合や、3年以上のリース契約で導入した機器について3年未満でリース契約を解除した場合、補助金を返還する規定があります。

また、一定額以上の取得財産には財産処分の制限があり、関係帳簿・書類も原則として事業完了年度の翌年度から5年間保存する必要があります。

そのため、「今年安く導入できればよい」ではなく、

少なくとも数年間使う機器か

まで考えて選ぶ方が安全です。

向いている人・向かない人

  • 向いている人: 導入したい機器やソフトが具体化しており、業務改善まで含めた導入計画を作れる介護事業所
  • 向かない人: とりあえず補助金が出るから機器を購入したい、交付決定前に契約・導入する必要がある、年度内にLIFE・委員会・ケアプランデータ連携等の要件を満たせない事業所

この制度では、

「欲しい機器がある」

だけでは不十分です。

北海道が重視しているのは、介護テクノロジー導入によって、

職員の負担軽減や業務効率化を実際に進められるか

という点です。

そのため、見積書だけでなく、事業所ごとの介護テクノロジー導入計画書、製品カタログ、職員数が分かる資料なども事前協議で求められています。介護ソフトの場合には、ベンダーが作成する確認書なども必要です。

まとめ

北海道の令和8年度「介護テクノロジー導入支援事業費補助金」は、介護機器やソフトを購入するだけの補助制度ではありません。

2026年8月15日時点では、

事前登録:8月31日まで 事前協議書類:9月17日必着

というスケジュールが示されています。

また、現在公開されている交付要綱(案)では、補助率は4/5以内です。

一方、上限額は導入内容によって大きく異なります。

  • 一部の介護テクノロジー:1台100万円
  • その他の対象機器:1台30万円
  • 介護ソフト:100万〜250万円
  • 介護ソフト+定着支援:115万〜265万円
  • パッケージ型:1事業所1,000万円
  • 業務改善支援:1事業所48万円

という構造です。

申請で最初に確認したい順番は、

①何を導入するか → ②どの事業区分になるか → ③TAIS・ソフト等の対象要件を満たすか → ④上限額と補助対象経費はいくらか → ⑤業務改善・LIFE・セキュリティ等の要件を期限までに満たせるか → ⑥事前登録・事前協議

です。

特に注意したいのは、

交付決定前に事業を始めないこと

です。

補助率が高くても、対象外の機器を選んだり、申請区分を間違えたり、交付決定前に購入したりすれば、補助対象にならない可能性があります。

上限額から機器を選ぶのではなく、現場の業務課題から必要なテクノロジーを決め、それを制度の区分へ正しく当てはめるのが、この補助金を活用するうえで重要です。

確認日: 2026-08-15 ※交付要綱・実施要綱は同日時点で「案」。FAQも更新されるため、提出前に北海道公式ページの最新版を要確認。

出典