概要
チャットプラスは、東京都千代田区に本社を置く情報・通信業の企業です。2026年7月15日に東証グロース市場へ上場予定のIPO銘柄で、証券コードは598Aです。
事業の中心は、問い合わせ対応を支援するチャットボットシステム「ChatPlus」「AI AgentPlus」と、FAQシステム「FAQPlus」の開発・提供である。
法人向けSaaSとして、カスタマーサポート、社内問い合わせ、Web接客などを自動化・省人化するサービスと見ると分かりやすい。導入実績24,000社超を掲げており、安価で多機能なAIチャットボットを強みにしている。
- 業種:情報・通信業
- 市場区分:東証グロース
- 主な事業:AIチャットボット、AIエージェント、FAQシステムの開発・提供
- 収益モデル:SaaSによる継続課金型サービス
- 本社:東京都千代田区丸の内2丁目7-2 JPタワー14階
=> AI、問い合わせ自動化、SaaS、労働力不足対応をテーマに持つIPO銘柄
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | チャットプラス株式会社 |
| 英文名 | ChatPlus Co., Ltd. |
| 証券コード | 598A |
| 市場区分 | 東証グロース |
| 上場予定日 | 2026年7月15日 |
| 上場承認日 | 2026年6月11日 |
| 設立 | 2016年8月10日 |
| 代表者 | 代表取締役社長 大江 繭子 |
| 本社所在地 | 東京都千代田区丸の内2丁目7-2 JPタワー14階 |
| 従業員数 | 22名(2026年4月30日現在) |
| 決算期 | 6月 |
| 主幹事証券 | 丸三証券 |
| 幹事証券 | SMBC日興証券、SBI証券、マネックス証券、松井証券、楽天証券、岩井コスモ証券など |
| 公式サイト | https://chatplus.jp/ |
事業内容
チャットプラスは、問い合わせ対応を効率化するSaaSを開発・提供している。
主なプロダクトは、チャットボットシステム「ChatPlus」、AIエージェント機能を持つ「AI AgentPlus」、FAQシステム「FAQPlus」である。
顧客企業にとっては、問い合わせ対応の人件費削減、対応品質の標準化、24時間対応、顧客データの蓄積と活用が導入目的になりやすい。
主なサービス
| サービス | 内容 |
|---|---|
| ChatPlus | Webサイトや社内向けのチャットボットシステム |
| AI AgentPlus | 生成AI・AIエージェント機能を組み込んだ問い合わせ対応支援 |
| FAQPlus | FAQページやナレッジ管理を支援するシステム |
SaaS型の継続課金モデルであるため、契約社数の増加、既存顧客の利用拡大、解約率の低さが中長期の評価ポイントになる。
所属業界と市場テーマ
取引所業種分類は情報・通信業である。
投資テーマとしては、AIチャットボット、生成AI活用、カスタマーサポートDX、労働力不足対応、SaaSといった文脈で見られやすい。
問い合わせ対応は、多くの企業でコストと品質の両面に課題がある。人手不足が続くなか、AIによる一次対応、FAQ自動化、社内問い合わせの省力化には構造的な需要がある。
一方で、AIチャットボット市場は競争が激しい。大手CRM、クラウドサービス、生成AIプラットフォーム、国内SaaS企業が同じ顧客予算を取りに来る可能性がある。
チャットプラスを見るうえでは、導入社数だけでなく、単価、継続率、AI機能へのアップセル、サポート品質を確認したい。
業績推移
2023年に決算期を12月から6月に変更しており、2023年6月期は6ヶ月の変則決算である。
| 決算期 | 売上高 | 経常利益 | 当期純利益 |
|---|---|---|---|
| 2024年6月期 | 7.49億円 | 1.62億円 | 1.50億円 |
| 2025年6月期 | 10.22億円 | 3.69億円 | 2.46億円 |
| 2026年6月期3Q累計 | 9.12億円 | 4.37億円 | - |
2025年6月期は、売上高10.22億円、経常利益3.69億円、当期純利益2.46億円だった。
売上高は前期比で拡大し、経常利益率も高い。2026年6月期第3四半期累計では、経常利益がすでに前期通期を上回っている。
ただし、売上規模はまだ10億円前後であり、上場後の成長評価は、契約社数の増加と単価上昇を伴って売上がどこまで伸びるかにかかっている。
IPOスケジュール
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 2026年6月25日 | 仮条件提示 |
| 2026年6月29日〜7月3日 | ブックビルディング期間 |
| 2026年7月6日 | 公開価格決定・当選発表 |
| 2026年7月7日〜7月10日 | 購入申込期間 |
| 2026年7月15日 | 上場日 |
IPO条件
想定価格1,050円を前提にしたIPO条件は次の通りである。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 想定価格 | 1,050円 |
| 上場時発行済株式数 | 4,650,000株 |
| 想定時価総額 | 約48.8億円 |
| 公募株式数 | 650,000株 |
| 売出株式数 | 500,000株 |
| OA売出 | 172,500株 |
| 想定吸収金額 | 約13.9億円 |
| オファリングレシオ | 約28.4% |
吸収金額は、グロースIPOとして極端に重い水準ではない。
公募650,000株に対して売出500,000株、OA172,500株という構成であり、需給面では公開価格の決定水準、直近IPO地合い、AI・SaaSテーマへの資金流入が重要になる。
時間軸別分析
短期(上場前後〜3ヶ月)
短期では、IPO需給とAI関連テーマへの市場評価が焦点になる。
- 吸収金額約13.9億円の消化力
- 仮条件と公開価格の決定水準
- 丸三証券主幹事案件としての配分・需給
- AIチャットボット、生成AI、SaaSテーマへの人気
- 直近グロース市場とIPO地合い
黒字でテーマ性のあるIPOであるため、初値面では注目されやすい。
ただし、AI関連は期待が先行しやすい領域でもある。初値後に追う場合は、公開価格からの上振れ幅と出来高を見たい。
中長期(6〜12ヶ月)
中長期では、SaaS企業としての成長持続性が評価の中心になる。
- 導入社数の増加ペース
- 既存顧客の利用拡大と解約率
- AI AgentPlusなど高付加価値機能の収益化
- ARPUの上昇
- 営業・開発人員の採用
- 競争激化による価格下落リスク
導入社数24,000社超という実績は強いが、投資評価では「社数」だけでなく「売上と利益にどう変わるか」が重要である。
財務・バリュエーション(概略)
想定時価総額は約48.8億円である。
2025年6月期の当期純利益2.46億円を基準にすると、想定PERは約20倍となる。黒字AI SaaS IPOとしては、極端な割高感は出にくい水準である。
- 売上高:10.22億円(2025年6月期)
- 経常利益:3.69億円(2025年6月期)
- 当期純利益:2.46億円(2025年6月期)
- 想定時価総額:約48.8億円
- 想定PER:約20倍
- 想定PSR:約4.8倍
ただし、上場前時点では売上規模がまだ小さい。利益率の高さが続くか、成長投資で一時的に利益率が下がるかは、上場後の会社計画と決算説明を確認したい。
投資視点の整理
- グロース性:★★★★☆
- 安定性:★★★☆☆
- 収益性:★★★★☆
- 流動性:★★★☆☆
- テーマ性:★★★★☆
チャットプラスは、AIチャットボット、問い合わせ自動化、SaaSという分かりやすい成長テーマを持つ黒字IPOである。
2026年6月期第3四半期までの経常利益進捗は強く、利益面では評価しやすい。
一方で、従業員22名の小規模組織であり、上場後の成長には営業・開発体制の拡張が必要になる。AI機能の競争は激しいため、単なるテーマ株ではなく、顧客基盤、継続率、単価、プロダクト改善力を見て判断したい。
リスク要因
- AIチャットボット市場の競争激化
- 大手CRM・クラウド・生成AI企業との競合
- 小規模組織ゆえの採用・開発リソース制約
- SaaS解約率の上昇
- 価格競争による利益率低下
- 上場直後のIPO需給悪化
- AI関連テーマの期待先行によるバリュエーション変動
特に重要なのは、競争環境である。
生成AIの進化によって問い合わせ自動化の市場は広がる一方、参入企業も増えやすい。チャットプラスが導入実績を単価上昇と継続収益に変えられるかが、中長期の分かれ目になる。
結論的ポジション
チャットプラスは、AIチャットボットとFAQシステムを展開する黒字SaaS IPOである。
導入実績24,000社超、2025年6月期の高い利益水準、2026年6月期第3四半期までの強い進捗は評価材料である。
想定価格ベースのPERも約20倍で、黒字AI SaaSとしては見やすい水準にある。
ただし、上場後に評価が続くかは、AI機能の収益化、解約率、ARPU、組織拡張、競争優位性をどこまで開示・実現できるかにかかっている。
短期ではIPO需給とAIテーマ、中長期ではSaaSとしての再現性を確認したい銘柄である。
株主優待
株主優待なし