決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上収益624.52億円578.74億円+7.9%非開示-
事業利益70.64億円69.50億円+1.6%非開示-
営業利益71.14億円70.19億円+1.3%非開示-
親会社所有者帰属利益49.98億円47.80億円+4.6%非開示-
EPS47.98円45.35円+5.8%非開示-

上場廃止予定により、2026年6月期の通期業績予想は記載されなかった。進捗率は算定していない。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+5.8%前年同期比純利益成長よりやや高く、平均株式数の減少も効いた。
親会社所有者帰属持分比率58.7%前期末54.3%利益剰余金の積み上がりで財務余力は高まった。
営業CF34.42億円前年同期は2.74億円の支出第1四半期としてキャッシュ創出は改善した。

営業利益率は11.4%で、前年同期の12.1%から低下した。売上増に対して利益の伸びが小さい点が、この四半期の読みどころである。

ポジティブ要因

売上収益は増加を維持

売上収益は624.52億円、前年同期比7.9%増だった。技術者派遣・請負需要は底堅く、輸送用機器や情報産業のIT技術者需要が継続した。

国内技術者数と単価が上昇

国内在籍技術者数は28,078人、前年同期末比1,797人増加した。月次平均売上単価は709千円となり、前年同期比24千円上昇した。

営業CFが改善

営業活動によるキャッシュ・フローは34.42億円の収入となった。前年同期は2.74億円の支出だったため、第1四半期の資金収支は改善している。

リスク要因

利益率の低下

営業利益は1.3%増にとどまり、売上収益の7.9%増を下回った。採用費、教育研修費、TOBに伴う業務委託費の増加が、増収効果を一部相殺した。

稼働率の低下

平均稼働率は94.4%で、前年同期比0.8ポイント低下した。高水準ではあるが、単価上昇だけでなく稼働率の維持が利益率に直結する。

通期予想と配当予想の非記載

上場廃止予定を理由に、2026年6月期の業績予想と配当予想は記載されなかった。上場企業としての通常の予想EPS、配当利回り、PER比較は実施しにくい。

財務安全性

総資産は1,450.76億円、資本合計は858.38億円、親会社所有者帰属持分比率は58.7%だった。現金及び現金同等物は420.67億円で、前期末から16.24億円減少した。非流動負債は42.68億円へ減少し、社債の流動負債への振替や長期借入金返済が反映された。

業界動向との関連

技術者派遣市場では、AI・ソフトウエア・製造業DX関連の人材需要が続く一方、人材獲得コストと退職抑制コストも上がりやすい。テクノプロHDの第1四半期は、需要が強くても販管費が利益率を削るという業界らしい構図が見えた。

株価への示唆

この時点の論点は、通常の決算サプライズよりも上場廃止手続きの進行だった。営業利益の伸びは小さいものの、売上、単価、営業CFは底堅い。ただし、通期予想や配当予想が記載されず、上場廃止予定が明示されていたため、PERや理論株価による評価は行わない。

今期の総括

第1四半期は増収増益を維持したが、利益率は低下した。技術者数と単価は改善している一方、採用・教育・TOB関連費用が重く、上場廃止前の最終局面らしい決算になった。

来期見通し

2026年6月期の通期業績予想は記載されなかった。会社は、2025年8月6日のTOB意見表明、9月25日の公開買付け結果、10月20日の株式併合関連開示を踏まえ、株式が上場廃止となる予定であることを理由としている。

総合判断

総合判断は中立である。営業CF改善と財務安全性は評価できるが、営業利益率低下と予想非開示により、上場企業としての継続的な投資評価は難しくなった。履歴としては、上場廃止前も本業需要は底堅かったことを確認できる決算である。

出典

  • テクノプロ・ホールディングス株式会社「2026年6月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」、開示日: 2025-10-31