決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前期実績(2025年8月期) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 311.81億円 | 284.23億円 | +9.7% |
| 営業利益 | 162.50億円 | 141.47億円 | +14.9% |
| 経常利益 | 144.17億円 | 125.16億円 | +15.2% |
| 純利益 | 144.04億円 | 124.96億円 | +15.3% |
| EPS(1口当たり当期純利益) | 2,610円 | 2,264円 | +15.3% |
半年ごとの決算で、増減率は前年同期比ではありません。EPSの前期値は、2025年9月1日の1口から2口への分割を前期期首に行ったと仮定した会社開示額です。
セグメント
不動産賃貸事業の単一セグメントです。当期の賃貸事業収入は256.30億円、その他賃貸事業収入は27.95億円、不動産等売却益は27.44億円でした。前期はそれぞれ241.00億円、28.29億円、14.77億円です。受取配当金0.10億円なども含まれるため、賃貸関連2区分だけでは営業収益全体と一致しません。
財務安全性
総資産は7,433.54億円、純資産は3,536.45億円、自己資本比率は47.6%です。営業CFは253.35億円の収入、投資CFは350.34億円の支出、財務CFは79.71億円の収入で、現金同等物残高は175.42億円でした。資産取得を進めた期間であり、営業CFだけで投資支出を賄った決算ではありません。
定量評価
営業利益率は52.1%で、前期の49.8%から上昇しました。ただし、不動産等売却益は14.77億円から27.44億円へ増えており、利益率の改善をすべて継続賃料の上昇とみなすことはできません。営業収益のうち賃貸事業収入がどれだけ伸びたかを分けて追います。
ポジティブ要因
期末稼働率は99.1%でした。会社はホテルやオフィスの取得とともに、2025年9月の青山サンクレストビルの持分売却を説明しています。賃貸事業収入の増加と売却益が、営業利益・純利益の前期比増加を支えました。
リスク要因
売却益は物件の売却時期・価格に左右されます。次期以降の分配金には圧縮積立金の繰入・取崩しも関係するため、1口分配金の増減だけでは利益の持続性を判断できません。借入金利や取得物件の収益寄与も確認点です。
業界動向との関連
オフィスに加えてホテル、商業施設、住宅、物流施設を持つ総合型REITです。同じ高稼働でも用途ごとの賃料や費用の動きは異なります。この決算では、全体の稼働率99.1%と賃貸事業収入256.30億円を手掛かりに、取得資産と既存資産の寄与を次の開示で確かめます。
株価への示唆
純利益は15.3%増でしたが、投資口価格や市場予想との比較は行っていません。分配金を読む際には、投資口分割で1口の基準が変わった点と、利益の一部を内部留保した点を合わせて確認する内容です。
今期の総括
営業収益311.81億円、純利益144.04億円と前期を上回りました。1口分配金は2,414円で、分配金総額と純利益の差には10.80億円の圧縮積立金繰入が関係します。前期分配金4,540円は分割前の額であり、当期と同じ1口基準ではありません。
来期見通し
2026年4月21日時点の予想は、2026年8月期が営業収益316.21億円、営業利益168.32億円、純利益146.06億円、1口分配金2,450円。2027年2月期は営業収益285.08億円、営業利益150.33億円、純利益127.18億円、分配金2,450円です。前者は圧縮積立金10.80億円の繰入、後者は8.05億円の取崩しを想定しています。ここでの予想は当時の開示であり、2026年8月期の決算記事とは開示時点が異なります。
総合判断
評価は中立です。賃貸収入と売却益の増加は確認できますが、分配金は当期利益に内部留保の調整を加えた金額です。物件の稼働・賃料、売却益、借入負担を分けて、継続的な分配余力を確認します。
出典
- オリックス不動産投資法人「2026年2月期 決算短信(REIT)」、2026年4月21日。
- 公式IR資料