関連して読みたい記事
- キオクシア(285A)は買いか、見送りか?最新株主構成とAI NAND相場の急落リスクを整理
- 機関投資家は何を見ている?主体別売買動向・信用残・空売り残高の見方
- 2026年5月の日本半導体株はなぜ強かったのか|キオクシアと東京エレクトロンに起きた主役交代
- 買い時・売り時の決め方|初心者が迷わない投資ルールの作り方
データの前提:14時台のランキングで見る
今回のランキングは、Yahoo!ファイナンスで確認できた14時台のデータを使っている。
値上がり率ランキングは2026年6月23日14時28分更新、値下がり率ランキングは14時08分更新のデータである。日経平均株価は14時21分時点の15分ディレイ株価を参照した。
ここは最初に断っておきたい。
ランキングは数分で入れ替わる。特に今日のように指数が大きく下げ、値幅制限や低位株の急騰が絡む日は、10分違うだけで順位が変わる。したがって、本記事は「終値ランキング」ではなく、「2026年6月23日14時台の相場観察記事」として読むのが正しい。
日経平均は一時2%超安、過熱感の調整が先に出た
日経平均株価は14時21分時点で70,799.98円、前日比1,553.98円安、下落率は-2.15%だった。
前日終値は72,353.96円。14時20分には70,717.61円まで下げており、日中の値幅もかなり大きい。
今日の下げは、単なる「弱い相場」というより、前日までの上昇に対する利益確定がかなり強く出た形に見える。
特に売られたのは、直近まで相場の主役だった銘柄群だ。
- 半導体・AI関連
- 非鉄金属・電線株
- ドローン、宇宙、グロース系テーマ株
- 直近で急騰していた値がさ株
指数が崩れる日にありがちなことだが、最初に売られるのは「悪い銘柄」だけではない。むしろ、利益が乗っていて、流動性があり、機関投資家が売りやすい銘柄から売られる。
数字は悪くない。問題は織り込みだ。
強いテーマほど、過熱した後は下げも速い。
値上がり率ランキングTOP10
Yahoo!ファイナンスの2026年6月23日14時28分更新データでは、値上がり率上位は次の通りだった。
| 順位 | コード | 銘柄 | 市場 | 取引値 | 前日比率 | 出来高 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 6659 | メディアリンクス | 東証STD | 70円 | +32.08% | 35,470,500株 |
| 2 | 9444 | トーシンホールディングス | 東証STD | 260円 | +28.71% | 732,500株 |
| 3 | 7048 | ベルトラ | 東証GRT | 212円 | +23.98% | 3,723,500株 |
| 4 | 2962 | テクニスコ | 東証STD | 1,510円 | +20.32% | 1,082,800株 |
| 5 | 3444 | 菊池製作所 | 東証STD | 1,255円 | +17.07% | 2,256,000株 |
| 6 | 6533 | Orchestra Holdings | 東証PRM | 1,190円 | +14.98% | 234,300株 |
| 7 | 3667 | enish | 東証STD | 32円 | +14.29% | 5,282,800株 |
| 8 | 5287 | イトーヨーギョー | 東証STD | 885円 | +12.03% | 130,000株 |
| 9 | 6994 | 指月電機製作所 | 東証STD | 1,402円 | +10.31% | 1,669,800株 |
| 10 | 9399 | ビート・ホールディングス | 東証STD外国 | 11円 | +10.00% | 2,189,475株 |
目立つのは、東証スタンダードやグロースの銘柄が多いことだ。
日経平均が2%超下げる中で、こうした銘柄が上がっているからといって、市場全体がリスクオンだったわけではない。むしろ逆である。
大型株や主力テーマに売りが出ると、短期資金は値幅の出る小型株、低位株、材料株へ流れやすい。今日の値上がり率ランキングは、その典型に近い。
値上がり上位で見るべきは「材料」より「需給」
メディアリンクス(6659)
メディアリンクスは70円、前日比32.08%高。出来高は3,547万株を超え、値上がり率トップだった。
ただ、ここで「株価が上がったから業績が強い」と短絡しない方がいい。
メディアリンクスは低位株であり、1円の値動きが騰落率に与える影響が大きい。さらに出来高が急増しているため、短期資金主導の値幅取りとして見た方が自然だ。
こういう銘柄は、上がっている最中は強く見える。だが、出来高が細くなった瞬間に値動きが変わることもある。見るべきは、材料の見出しだけではなく、売買代金、板の厚さ、信用残、直近決算の赤字・黒字の確認である。
トーシンホールディングス(9444)
トーシンホールディングスは260円、前日比28.71%高だった。
こちらもスタンダード市場の小型株で、地合い悪化の中で逆行高となった。大きな上昇率は目を引くが、14時台の出来高は73万株台であり、ランキング上位としては極端に厚いわけではない。
小型株の急騰では、配当、株主還元、優待、低位株物色など、複数の連想が入りやすい。ただし、当日の値動きだけで上昇理由を決め打ちすると読みを誤る。材料確認と需給確認を分けたい。
ベルトラ(7048)
ベルトラは212円、前日比23.98%高。
旅行・インバウンド関連として連想されやすい銘柄であり、地合いが悪い日にテーマ性のあるグロース小型株として買われた面はありそうだ。
ただし、ここも市場が本当に見ているのは「旅行需要」だけではない。低位株、テーマ性、出来高増、短期資金。この4つが重なると、相場全体が悪くても上位に顔を出しやすい。
逆行高は強さのサインではあるが、継続性は別問題である。
値下がり率ランキングTOP10
Yahoo!ファイナンスの2026年6月23日14時08分更新データでは、値下がり率上位は次の通りだった。
| 順位 | コード | 銘柄 | 市場 | 取引値 | 前日比率 | 出来高 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 6217 | 津田駒工業 | 東証STD | 1,160円 | -17.91% | 1,339,400株 |
| 2 | 6085 | アーキテクツ・スタジオ・ジャパン | 東証GRT | 304円 | -16.71% | 4,226,200株 |
| 3 | 278A | Terra Drone | 東証GRT | 7,930円 | -15.82% | 926,600株 |
| 4 | 5801 | 古河電気工業 | 東証PRM | 49,780円 | -14.17% | 5,008,500株 |
| 5 | 6433 | ヒーハイスト | 東証STD | 1,248円 | -13.39% | 886,400株 |
| 6 | 1623 | NEXT FUNDS 鉄鋼・非鉄上場投信 | 東証ETF | 76,440円 | -13.14% | 33,032株 |
| 7 | 5817 | JMACS | 東証STD | 1,103円 | -12.53% | 676,200株 |
| 8 | 5216 | 倉元製作所 | 東証STD | 155円 | -12.43% | 2,377,000株 |
| 9 | 4169 | ENECHANGE | 東証GRT | 167円 | -12.11% | 3,989,500株 |
| 10 | 5706 | 三井金属 | 東証PRM | 46,860円 | -11.47% | 1,541,700株 |
こちらは値上がりランキングより、相場の本音が出ている。
津田駒工業やアーキテクツ・スタジオ・ジャパンのような値幅の出やすい銘柄に加え、Terra Drone、古河電工、三井金属が大きく下げている。つまり、今日の売りは単なる小型株売りではなく、直近のテーマ株・非鉄金属・グロース株にも広がっていた。
特に古河電工と三井金属は、AIデータセンター、電線、非鉄、素材インフラの文脈で買われやすかった銘柄群である。こういう銘柄が下落率上位に入る日は、短期筋の利益確定だけでなく、テーマ全体のポジション整理も疑いたい。
キオクシア(285A)の急落は、半導体相場の温度計
ランキング更新時点の値下がり率TOP10には入っていなかったが、今日の相場で無視できないのはキオクシアホールディングス(285A)である。
Yahoo!ファイナンスの個別株価では、キオクシアは14時28分時点で94,400円、前日比14,300円安(-13.16%)だった。前日終値は108,700円。安値は93,880円まであった。
キオクシアは、5月から6月にかけて日本株のAI・半導体相場を象徴する銘柄になっていた。
AIデータセンター向けSSD需要、NAND市況の回復、米国預託証券上場準備、大株主の売却需給。材料は多い。だからこそ、上がる時も大きいが、利益確定が入る時も速い。
さらに、株価水準そのものも重い。
14時28分時点の94,400円でも、100株単元では約944万円が必要になる。前日終値108,700円では約1,087万円だった。通常の個人投資家が少しずつ買い増すには重く、どうしても大口資金、機関投資家、短期資金の影響を受けやすい。
今日のキオクシア急落は、会社の長期ストーリーが一日で消えたという話ではない。
むしろ、期待先行で買われていたAI・半導体銘柄に、利益確定とポジション調整が強く出た日として読む方が自然だ。業績より需給。今日はそこが前に出た。
今日のランキングから見える3つの相場ポイント
1. 逆行高は小型・低位・材料株に偏った
値上がり上位は、メディアリンクス、トーシンHD、ベルトラ、enish、ビートHDなど、値幅の出やすい銘柄が中心だった。
これは市場全体が強いというより、主力株から抜けた短期資金が、回転の速い銘柄へ向かったという見方が近い。
ランキングだけを見ると、急騰銘柄が多くて派手に見える。ただ、時価総額や流動性を考えると、相場の主流がそこへ移ったとまでは言いにくい。
2. 売りは半導体・非鉄・グロースへ広がった
値下がり上位には、Terra Drone、古河電工、三井金属が入った。
キオクシアも14時28分時点で13%超の下落である。
ここから見えるのは、直近の人気テーマに対する利益確定だ。AI、半導体、非鉄、ドローン、宇宙。どれもストーリーは強いが、短期的には期待値が高くなっていた。
市場は、良いテーマを売ることがある。
それはテーマが終わったからではなく、ポジションが重くなったからだ。
3. 今日の値上がり率上位をそのまま「強い銘柄」と見ない
急落相場の日に上がっている銘柄は、確かに目立つ。
ただし、ランキング上位をそのまま買い候補にするのは危ない。低位株や小型株は、出来高が急増した翌日に反動が出ることも多い。
見る順番はこうだ。
値上がり率
↓
出来高と売買代金
↓
材料の有無
↓
直近決算と財務
↓
信用残と需給
値上がり率は入口であって、結論ではない。
投資家が明日以降に見るべきこと
明日以降に見るべきポイントは、単純な反発の有無ではない。
むしろ、今日売られた主力テーマ株に買いが戻るか、それとも売りがもう一段広がるかである。
確認したいのは次の5つだ。
| 見るポイント | 確認したいこと |
|---|---|
| 日経平均の下げ止まり | 70,000円台を維持できるか |
| 半導体株の戻り | キオクシア、東京エレクトロン、アドバンテストなどに買いが戻るか |
| 非鉄・電線株の売り | 古河電工、三井金属、JX金属などの調整が続くか |
| 小型材料株の持続性 | メディアリンクスやベルトラの出来高が翌日も残るか |
| 為替と米国株 | 米国ハイテク株とドル円が日本株の買い戻し材料になるか |
個人的には、今日の相場は「全面リスクオフ」よりも、「過熱していたテーマのポジション整理」と見る。
ただし、日経平均が2%超下げている以上、軽く見すぎるのも違う。主力株が戻らず、小型株だけが騰落率ランキングをにぎわせる相場は、地合いとしてはかなり荒い。
まとめ:ランキングは派手だが、相場の主役は利益確定だった
2026年6月23日の東京市場は、日経平均が14時台に2%超下げる厳しい地合いだった。
値上がり率上位では、メディアリンクス、トーシンHD、ベルトラなどが急騰した。だが、それは相場全体の強さというより、短期資金が小型・低位・材料株へ向かった動きに近い。
値下がり率上位では、津田駒工業、Terra Drone、古河電工、三井金属などが大きく売られた。さらにキオクシアも13%超下落し、AI・半導体相場の過熱感に冷や水を浴びせた。
今日のランキングから見えるのは、強弱の二極化ではない。
正確には、主力テーマの利益確定と、小型材料株の短期物色が同時に起きた相場である。
こういう日は、上がっている銘柄を追うより、なぜ主力が売られたのか、どこで出来高を伴って下げ止まるのかを見たい。ランキングは便利だが、ランキングだけでは相場の中身は読めない。
出典・参考
- Yahoo!ファイナンス「日本株ランキング(値上がり率)」(2026年6月23日14時台確認)
- Yahoo!ファイナンス「日本株ランキング(値下がり率)」(2026年6月23日14時台確認)
- Yahoo!ファイナンス「日経平均株価」(2026年6月23日14時台確認)
- Yahoo!ファイナンス「キオクシアホールディングス(285A)」(2026年6月23日14時台確認)
免責事項
本記事は、2026年6月23日14時台に確認できた市場データをもとにした一般的な相場解説であり、特定銘柄の購入、売却、保有を推奨するものではありません。株式投資には価格変動、流動性、信用取引、集中投資、税金、手数料などのリスクがあります。ランキング、株価、出来高、指数値はリアルタイムで変動し、終値や正式な取引結果とは異なる場合があります。実際の投資判断は、最新の株価、企業開示、決算情報、リスク許容度を確認したうえで行ってください。