元本だけに利息が付くか、利益にも付くか
ここからは、100万円を年3%で運用し、税・費用はないという独自の比較例です。単利では、毎年の収益は3万円です。それを取り出し、元本100万円だけを運用し続ければ、10年分の収益は30万円。元本との合計は130万円になります。
複利では、初年度の収益3万円を加えた103万円を翌年の運用に回します。2年目の収益は3万900円となり、900円は最初の利益にも利息が付いた部分です。収益を使わず再投資するという条件が、単利との違いを生みます。
式と計算の前提
追加投資なしで一定利率を置く場合、将来額は「元本×(1+年利率)の運用年数乗」です。年3%なら年利率は0.03、10年なら指数は10。100万円×1.03の10乗は約134万3,916円です。表示を万円に丸めると約134.4万円で、単利との差は約4.4万円になります。
この例は年1回の収益計算と再投資を仮定し、税と費用を省いています。毎月積み立てる場合は、後から入れたお金ほど運用期間が短くなるため、総入金額に同じ式を当てはめることはできません。
値下がりも翌年の土台を変える
毎年同じ利回りが続くとは限りません。値下がりした翌年は、減った金額が収益計算の土台になります。同じ割合で上がっても、下落前の金額に戻るとは限りません。プラスとマイナスの率を足してゼロ、と考えると結果を読み違えます。
投資信託の分配金を再投資する場合も、分配の原資と税・費用を区別します。元本の一部が払い戻されただけなら、新しい利益が増えたことにはなりません。分配額だけを利回りに置き換えず、基準価額を含めた全体の増減で評価します。
計画に使うなら利回りを一つに固定しない
将来額を試算するときは、入金額、入金日、費用、途中で使う金額もそろえて比べます。年3%の一例だけで生活費を逆算すると、予定を下回った際に不足が出ます。運用益ゼロや損失が出る場合も併記すれば、将来の収益に依存しすぎた計画に気づきやすくなります。
出典
参考資料の確認日:2026年10月23日。