日本の税を引いた記録と、外国の税を引いた記録
外国株の配当明細では、配当総額、外国での課税、日本での課税、最終の受取額を分けて見ます。外国税額控除で扱う外国所得税と、日本で源泉徴収された税額は同じ項目ではありません。手数料や為替による差も、税とは分けて記録します。
外国で差し引かれた金額なら、何でも対象というわけではありません。対象外となる税などの区分があり、税の種類、納付時期、どの所得に対応するかの確認が必要です。米国株という名称だけで、明細上の税率や対象額が必ず同一になるものでもありません。
控除限度額を計算する架空例
所得税の基本的な控除限度額は、その年分の所得税額に、調整国外所得金額が所得総額に占める割合を掛けて求めます。ここでいう所得税額や所得総額などには制度上の定義があるため、給与の額面や口座の入金額をそのまま入れる式ではありません。
2026年の独自例として、定義に沿う所得税額十万円、調整国外所得十万円、所得総額二百万円と仮定します。所得税部分の限度は十万円×十万円÷二百万円=五千円です。対象外国税が一万円あっても、この所得税部分で直ちに全額を差し引ける計算ではありません。
限度を超えた額には、復興特別所得税や住民税との関係、一定の繰越の扱いなどがあります。この例はそれらを計算していないため、差の五千円が必ず失われる、あるいはすべて後で戻る、とは結論できません。
NISAで非課税の配当は、同じ控除の対象にできない
NISAの対象として日本で非課税になる外国株配当にも、外国で税が引かれる場合があります。その配当は、日本で申告して外国税額控除を適用することはできません。NISAなら外国の税もなくなる、という扱いではありません。
課税口座で配当を受け取った場合も、外国税額控除のための確定申告と、口座内の源泉徴収だけで終える場合は別です。すでに国内で税を引かれたことだけでは、この控除まで自動適用されたとは言えません。
配当額ではなく、必要資料と申告全体を確認する
配当の支払通知などから、対象年、配当総額、外国所得税、国内源泉徴収額を対応させ、外国税額控除の明細書などを準備します。控除のための計算と、所得自体の申告を合わせる必要があります。
配当が多いほど必ず全額回収できるわけではなく、本人の所得や税額で限度が変わります。見込みの還付額を決め打ちせず、対象の税と限度の計算をそろえる制度として理解すると、明細の「外国税」を全額返金予定として扱う誤りを減らせます。
出典
参考資料の確認日:2026年10月23日。