退職前の給与と、独立後の報酬を分けて集める
同じ年の途中まで会社員だった場合、給与の源泉徴収票と、独立後の事業等の資料をそろえます。退職前の給与を、独立後の売上として足すのではありません。それぞれの所得区分で計算した上で、年間の税額へ反映します。
報酬から税が源泉徴収されている場合も、入金額だけを売上として使うと、報酬総額と納付済み税額を取り違えます。請求額、源泉徴収額、手数料、実入金を対応させ、明細を保存します。源泉徴収されたこと自体が、年間の確定申告を終えたという意味ではありません。
十二月の仕事が、一月に入金される例
2026年に開業した独自例で、同年十二月中に業務を終え、契約上の報酬十二万円を受け取る権利も確定し、入金だけが翌一月になると仮定します。原則となる計上方法では、その売上は開業年の計算に入ります。翌年に入った十二万円を再び売上にすると、同じ仕事を二度数えることになります。
一方、まだ契約上の権利が確定していない仕事まで、見込みの請求額だけで同じ処理にできるわけではありません。計上時期は取引の内容や契約等によります。一定条件の現金主義の特例を使う場合もあるため、自分の方法を年をまたいで統一します。
開業届の期限と、青色の申請期限を混ぜない
2026年10月23日確認の現行案内では、個人事業の開廃業等届出書は、事実があった年分の確定申告期限までです。一方、青色申告承認申請書は原則三月十五日まで、一月十六日以後の新規開業等なら開始から二か月以内です。古い説明の開業届の期限や、青色の期限を、そのまま区別します。
青色には対象所得や帳簿、提出の要件があり、開業届を出せば最高六十五万円の控除が自動で付くわけではありません。事業の開始日と利用したい制度を整理し、それぞれの手続きを見る必要があります。
利益があっても、生活費へ全部回せるとは限らない
帳簿に売上を計上していても未入金なら、家賃などの支払いに使える現金はまだありません。反対に入金済みでも、必要な税金や翌月の支払いを残さず使えば、後で不足する場合があります。
売上、経費、未入金、未払い、納税予定を並べると、申告のための利益と、生活に使える資金を分けられます。消費税は所得税とは別の判定・申告であり、インボイス登録などの条件も関係します。一年目は仕事の規模だけでなく、請求から納税までのお金の時間差も管理する時期です。
出典
- 国税庁「No.2090 新たに事業を始めたときの届出など」
- 国税庁「No.2070 青色申告制度」
- 国税庁「No.2200 収入金額とその計算」
- 国税庁「No.2210 必要経費の知識」
- 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
参考資料の確認日:2026年10月23日。