年末残高の増減を、利益としない
架空の例で、年末の投資口座が前年より20万円増え、その間に30万円を入金したとします。残高が増えたことだけで、売却益20万円が出たとは判断できません。追加入金、出金、評価額の変動、配当、売却損益が同じ残高に影響しています。
申告に使う所得は取引に基づいて区分し、単に年末残高を差し引いて計算しません。特定口座では年間取引報告書の対象年を確認し、一般口座では取得費や売却費用の記録もそろえます。
配当明細と年間取引報告書の重なりを見る
源泉徴収口座で受け入れた配当などが年間取引報告書に含まれる場合、別の配当通知に同じ受取が記載されていることがあります。通知の数だけ足すと、同じ配当を二重に計上しかねません。
同様に、自分の管理表と金融機関の集計を別の所得として加算しないよう、支払日、銘柄、税引前額で照合します。税引後の入金額と、申告で使う税引前の配当額も分けて読みます。
源泉徴収ありでも、目的によって申告が必要
源泉徴収ありの特定口座の所得は申告不要を選べますが、他社の課税口座と損益を通算したい場合などは申告が関係します。源泉徴収なしを選んでいる口座も同じ手続きにはなりません。
損失を翌年以後へ繰り越す場合は、対象年とその後の申告要件を確認します。取引がなかった年も必要になる手続きがあるため、損した年の報告書だけ保存して終わりにはできません。
NISAや含み損を課税口座へ混ぜない
NISAの譲渡損失は通算・繰越控除の対象外です。まだ売却していない含み損も、確定した譲渡損失と同じではありません。非課税の対象となった利益を、申告でさらに控除するという考え方もしません。
申告する配当の課税方式は、後から自由に選び直せるとは限りません。外国税、受取方式、本人のほかの所得なども該当する範囲で確認します。口座・年次・所得の区分を先に整理する方が、入力を終えてから数字の重複を探すより照合しやすくなります。
出典
- 国税庁「No.1476 特定口座制度」
- 国税庁「No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」
- 国税庁「No.1331 上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」
- 国税庁「No.1535 NISA制度」
参考資料の確認日:2026年10月23日。