予想と市場の実績を分ける
ある人がA社について「来年は上がる」と考えるのは強気な見方です。A社の株価が今月上がったという話は、個別株の実績です。市場全体を表す指数が上昇基調にあることを、強気相場と呼びます。予想が強気でも、まだ価格へ表れていない場合があります。
A社だけに新製品の材料が出た場面では、その値上がりを市場全体へ広げることはできません。逆に市場が上昇していても、A社の利益減少や財務上の問題は個別に残ります。
上昇方向と値動きの荒さは別
架空の二つの価格経路を比べます。Aは100、105、110と推移し、Bは100、125、110と推移したとします。最初から最後までの上昇率はどちらも10%ですが、Bは途中の125から110へ12%下落しています。
終点の上昇率だけでは、途中でどれだけ揺れたかが分かりません。上昇基調でありながら値動きが荒い相場もあるため、「ブルだから穏やか」とは言えません。この3点の比較は変動の例で、統計上のボラティリティを推計したものではありません。
活発な売買と売りやすさも区別する
出来高が増えても、自分の売りたい価格や数量で注文が通るとは限りません。売買には相手の注文が必要で、成行は価格を指定せず、指値は許容する価格を指定する仕組みです。人気があることと、希望価格で換金できることは違います。
相場を比較する際は、対象市場、方向、途中の値幅、注文数量を別に記録します。強気相場の呼び名だけでは、購入価格の妥当性や注文が成立する条件まで説明できません。